2010-01-01から1年間の記事一覧

侵略する伊藤計劃:『伊藤計劃記録』

伊藤計劃記録早川書房編集部 だから「人狼」はヒットしないでしょう。ここにはマ◯チやデ・ジ・キャ◯ット、あるいはホシ◯・ルリのような「萌える」デザイン(言わば『怠惰なキャラデザイン』)のキャラクターは一切登場しませんし、アルマゲドンのような自動…

ヴィカス、お前は神にも悪魔にもなれる!:『第9地区』

District 9 [DVD] [Import] 『第9地区』を観たのだが、期待以上の面白さだった。この映画、色んな人が熱く語ってるのも分かるわー。 まずさ、どうみてもクリーチャーで外骨格で子どもとか襲いそうな宇宙人が、南アフリカの難民キャンプで地球人に蔑まれてい…

かなまら祭り2010

日曜日。実家に帰るついでに、川崎大師近隣にある若宮八幡宮に行ってきた。一年に一度、4月の第一日曜日にかなまら祭りをやるのだ。 「かなまら」。この名前にピンときた方、正解だ。 漢字で書くと金魔羅、男根信仰、とんまつりJAPAN。息子にうっかり「ちん…

子ども手当てとベーシックインカム

マクガイヤー家は現在引越しを真剣に考えている。 今住んでいる一軒家は二階に広めの二部屋がある2LDKなのだが、息子と娘一人ずつの四人家族にはちと狭すぎる。子供の部屋が無い。「ママと一緒に寝る〜!」とか言ってる今は良いのだが、大きくなった時が困る…

実写とアニメのあいだ、人間と動物のあいだ:『スパイアニマル・Gフォース』

かなり期待していた『スパイアニマル・Gフォース』を観てきたのだが、やっぱり面白かったわー。 私は「動物が喋る映画」に目が無いのだけれども、そういう個人的な好き嫌いを抜きにしても、本作は傑作だと思う。や、最近、期待満々で観にいった映画に失望さ…

第二次スーパープリキュア大戦α:『プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』

ホラー映画、SF映画、サスペンス映画……。映画には様々なジャンルが存在する。 知らない人は全く知らないと思うのだが、近年新しい映画ジャンルが誕生した。「スパロボ大戦映画」がそれである。 「スパロボ大戦映画」は下記のように定義される 少なくとも三作…

映画監督押井守にとっての勝利と敗北──もしくはキャメロンに「負けた」理由

勝つために戦え!〈監督篇〉 ライムスター宇多丸が先週タマフルでお薦めしていた押井守の新刊「勝つために戦え! 監督編」を読んだのだが、面白かった。 TBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル 前作にあたる「勝つために戦え!」は何年も…

非実在青少年は本当に実在しないのか?

今、twitterやブロゴスフィアで最もホットな話題といえば東京都青少年保護条例改正案──「非実在青少年」規制だ。 子供を持つ親が送ると効果的というので、私も民主党系の都議会議員に反対のメールを送ろうかどうか迷っているのだが、埼玉県民が送っても効果…

おれは戦争が大好きだ!:『ハート・ロッカー』

The Hurt Locker [DVD] [Import] アカデミー賞を獲ったわりには公開館数の少ない『ハート・ロッカー』を観たのだが、とんでもない映画だった。 「私は戦争が大好きだ!」を大マジでやるというか、21世紀のキルゴア中佐というか、戦争しながらこの作品を監督…

岡田斗司夫のひとり夜話6 その2

(前回の続きです) ノート術:左ページについて ノート術、左ページが難しいとよく言われる。右ページには論理的なことを書くわけだが、左ページにもついつい論理的なものを書いてしまう、と。確かに難しいかもしれない。 大阪芸術大学で客員教授をやってい…

岡田斗司夫のひとり夜話6 その1

毎度お馴染み、岡田斗司夫が一人きりで何時間も理屈をこねまくる超絶トークイベント「岡田斗司夫の ひとり夜話」に今回も行ってきた。 ちなみにこれまでのまとめと感想は↓の通り。 「岡田斗司夫のひとり夜話」その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな 「岡田斗…

民主主義の限界と信頼:『鈴木先生』第9巻

鈴木先生 9 (アクションコミックス) 私は漫画アクションを定期購読していないので、毎回新刊が出るたびに悶絶する『鈴木先生』であるが、先週発 売された9巻も面白かった。またもや悶絶したよ。 『鈴木先生』はとある中学を舞台に、鈴木先生と生徒達が学校内…

おれたちの暴力:『イエローキッド』

大学院の修了制作という触れ込みである『イエローキッド』を観てきたのだが、堂々たる劇映画だったよ。 制作費は200万円らしいのだが映画のどこにも貧乏臭いところが無くて、学生が作る映画に特有の劇団っぽさとか素人臭さみたいなものが全く無い。それどこ…

日本オタク大賞2009ガールズサイド

せっかくなので、これも勉強かと思い観覧してきた「オタク大賞ガールズサイド」についてもレポートをアップしたい。 日本オタク大賞 |オタク大賞ガールズサイド 私は男なので、当然のように女子ネタについてはちんぷんかんぷんだ。だから当イベントについて…

ホリエモン×オタキング

この前、オタク大賞ガールズサイドを観にネイキッドロフトに行ったのだが、そこで貰った今月号のrooftopにて、ホリエモンが読み飛ばせないことを語っていた。 rooftopというのはロフトで配っている小冊子だ。ロフト各店のスケジュールの他に、気の利いたコラ…

ラブずっきゅんプラス

渋谷の、井の頭線の出口ってあるじゃん。西側の、道玄坂の合間に出る方じゃなくて、スクランブル交差点やハチ公側に出る、まぁメインの方の出口だ。 で、上部にJRとの連絡路が走っている、その高架下ってあるじゃん。一昔前だったら、よく茶髪の兄ちゃんとか…

友情・努力・勝利:『インビクタス 負けざる者たち』

『インビクタス 負けざる者たち』観たのだが、いやスゴかったわ。イーストウッド、スゲー。傘寿近くでこれを作れるって、本当にスゴいと思う。 何処にスゴさを感じたかというと大きく分けて二つあるのだが、一つ目は映画全体としての隠喩の使い方だ。 イース…

ゴセイジャーにイライラ:『スーパー戦隊祭 侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』

侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!(特別限定版) [DVD]八手三郎 長年にわたりVシネ枠でひっそりと発売され続け、子供と大きなおともだちの密かな楽しみであった戦隊VSシリーズであるが、『ふうけもん』公開中止の尻拭いとして『ゴーオンジャー…

岡田斗司夫のひとり夜話5 その2

最近集中力が落ちてきて困っている 具体的に何が困るんですか? (質問者)自分も演劇をやっているのだが、舞台の上で困る。 そうか。今日のお客さんはそういう人ばかりなんですね(笑)。 「集中」というのは自動詞じゃなくて他動詞だと思う。集中「する」…

岡田斗司夫のひとり夜話5 その1

「岡田斗司夫のひとり夜話5」に行ってきた。 年末の「4」は嫁が忘年会に行く間に子供の面倒をみるという重大ミッションをこなさねばならず、参加できなかったので、久々の「ひとり夜話」となる。 今回はGyaOでやった全編質疑応答の回みたいに、「客席との対…

『グラン・トリノ』から学べるもの、学ぶべきこと、学ばない人

映画を観たり、小説やマンガを読んだ感想として、自分はよく「面白かった」とか「感動した」とかいう言葉を使う。 他人の感想やブログやTwitterなんかでもそのような言葉を使う人は多いのだけれど、その「面白かった」とか「感動した」って具体的にどういう…

このへんなかいじゅうたちは まだこころのどこかにいるのです。たぶん。:『かいじゅうたちのいるところ』

『かいじゅうたちのいるところ』を観たのだけれど、やっぱりというかなんというか、心に染みる映画だったよ。 ノリの良い音楽がかかってはいるけれど、どこかしら寂しい感じがする予告編の雰囲気が全編を覆っていて、どう考えても大人向けというか、青年*1向…

日本オタク大賞2009

しっかりチケットをゲットできたので、今年もオタク大賞に行ってきた。例年通りのオタ的バカ話の連続で楽しかったよ。やっぱりオタク大賞はお笑いイベントだな。 ただ、例年はCS放送があったのだが、今回は大人の事情により無し、その代わり、今月末にニコニ…

小泉進次郎を信用できない

我が家では、洗濯物を干すのは私の仕事だ。毎朝、子供の肌着なりパジャマなり靴下なりを、ワイドショーを観ながら干すのが日課となっている。小さい布切れを物干しハンガーにかけるイライラ感を、ワイドショー的価値観への嫌悪感で誤魔化すのが目的なのだ。 …

あけましておめでとう

というわけで、嫁も子供もいないおかげで充実した正月ライフを愉しんでいる最中なのだが、ちょっと印象深い出来事があったので、報告したい。 昨日のことだ。 年末年始は家から一歩も出ずに引きこもるつもりだったのだが、友人から福袋を買いに行こうと誘わ…