岡田斗司夫のひとり夜話6 その1

毎度お馴染み、岡田斗司夫が一人きりで何時間も理屈をこねまくる超絶トークイベント「岡田斗司夫の ひとり夜話」に今回も行ってきた。


ちなみにこれまでのまとめと感想は↓の通り。


「岡田斗司夫のひとり夜話」その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな
「岡田斗司夫の ひとり夜話2」その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな
「岡田斗司夫のひとり夜話3」その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな
岡田斗司夫のひとり夜話5 その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


今回は、合間合間で事前に集めた質問票に答えつつも、いつも通り色んなお題について話していくというスタイルだった。
以下、いつものようにまとめ記事をアップする。岡田斗司夫が言った内容そのままというよりは、自分なりにこう理解した、というまとめ方なのでご注意を。括弧内は私の感想だ。

挨拶

質問:3Dテレビって流行ると思いますか?

  • 流行らないと思う。
  • アバター』は奥行き〜手前のピントの移動で視点を誘導*1し、焦点の合わせ方だけで観客にそれと意識させずに見せたいものを見せるという、3D映画ならでは高度な演出をやっていた。キャメロンの演出力の賜物。でも、これを温泉宿を巡る旅番組とかでやってもしょうがない。
  • いつも悪い例に出して本当に申し訳ないのだが、江川達也くんが「岡田さん、ブルーレイに50インチ液晶テレビは最高ですよ! 現実には存在しない直径1 mのおっぱいが、まるでそこにあるかのようですよ!」と言っていて、その時は「おー、そうか!」と合わせたのだけど、あんまり意味ないよね(笑)。

トップをねらえ!』パチンコ化についてどう思うか?

  • パチンコがあまり好きじゃない。元々ギャンブルはあんまり好きじゃないが。
  • パチンコの市場規模は年間2〜30兆円だという。日本人一人あたりに換算すると2〜30万円。でも、日本人全員がパチンコやるわけじゃなくて、やる人は人口の1割くらいだろう。すると、1人2〜300万円使っているという計算になる。不況の原因はこれじゃないの?(笑)
  • というか、年間2〜300万円をパチンコに使うってどうなの? と思う。
  • ちなみに、『トップをねらえ!』や『ナディア』がパチンコ化したとしても、ガイナックスが儲かるわけじゃない。権利を持っている会社が儲かる。ビクターやバンダイNHKエンタープライズといった会社が儲かる。
  • 経営がしっかりしてる会社はパチンコをやらない。ほら、ジブリ作品やミッキーマウスガンダムはパチンコにならないでしょ? だから「ウルトラマンパチンコ化!」とか「CR松平健!」とか聞くと、「あ、そっかー」と思う(笑)。いい指標になる。

モテとは何か-1

  • 朝日新聞で「悩みのるつぼ」という人生相談の担当をやっているんだが、モテに関して答えたら色々な所で引用されて、評判になった。
  • もう一つ、小飼弾さんと対談をやっていて、そこでもモテについて話した。対談本を作るつもりなのだが、いつになるか分からないので、ここでちょっとだけ話します。
  • 小飼弾はいつも結論から話す。この前など、いきなり「これからは機械化政府しかない!」。『銀河鉄道999』かと思った(笑)。
  • 要は、政府とか、政治のような面倒なものは機械に任せてしまえという話だった。
    • 議会制民主主義というシステムはローマ時代にほぼ完成して、以降基本的には変わってない。意見をまとめて、同じ意見を持ってる人達が政党を組んで、その人数に比例した代議士が議会に上って議論して決定する。
    • こんなややこしいことは機械に任せよう! 民意のマーケティングGoogleに任せてしまえ! という話だった。
    • メリットとしては、まず意思決定の透明性が高い。そして経費の安さが圧倒的。霞ヶ関に人間を何万人とおく必要が無い。
    • ひょっとしたら広告を混ぜられちゃうんじゃ? というリスクもあるけれど、メリットに対するデメリットとして、その位は大したこと無い。危険だというなら、要所要所にチェックする人間を置けばいい。それでもコストがこれまでより圧倒的に少なくて済む。
  • まぁ、小飼弾さんはそのような極論をいう人です(笑)。

モテとは何か-2

  • 「悩みのるつぼ」の質問は以下のようなものだった。

 客観的に見て、私は容姿もかなりのレベルだと思うのですが、全然モテません。
(中略)
 20代で別れた男性に昔、「君はスキがない、なんとなくかわいくない」と言われました。
 そのことがずっと気になり、考えてきましたが、「スキがある」とは結局、「すぐセックスできそうな雰囲気がある」ということではないかと思えてなりません。そういう人なら、男性も、恋人にするには心配で、遊び相手として軽くみるのではと思うのですが、周囲を見渡すと、そういう女性が現実にはモテて、結婚して幸せそうだし、しかも、既婚なのにまだモテていて、正直、悔しいです。
「スキがある」とは、フェロモンですか? 天性のものですか? スキがない女に恋愛はできませんか?

岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ:君も朝日新聞にチャレンジ!今日の「悩みのるつぼ」
  • 彼女は、心の中で無意識に相手にしない男を作ってるですね。そういうことに気付かせるコメントをした。
  • BSマンガ夜話』で夏目房之介いしかわじゅんが男マンガと女マンガでリアルの基準が違うということについて話していた。
  • 男性が描くマンガは、コンクリートの染みやビルの汚れも描く。でも、ぐじぐじと悩む心の動きは描かない。それでも感情が絵になるシーンは描く。
  • 女性が描くマンガは、街のゴミとか描かない。でも、感情の動きを全て描く。目に映って嫌になるものは描かないが、嫌になるっ感情は描く。
  • だから、たとえば『島耕作』なんかでは心の動きはあまり描かれない。感情の結果のみが描かれる。
  • 女性が男性を見た目で選ばないというのは、上位1/3しか目に入らないという意味、2/3は無意識に足切りされている。
  • 要するに、質問者34才女性に対して、プロテクトを外して色んな男とつきあってみてとアドバイスした。
  • 34才まで恋愛経験無かったのなら、今更男性一人と付き合ってもおっつかない。今まで見た目で落としてきた男3人ぐらいと常に仲良く付き合う状態を維持して、男の面白さを知ろう! ということ。
  • 割りと見た目に左右されるというのを、現代人は無意識にやっている。我々男性も、コンビニで少年ジャンプを買うときに立ち読みで表紙の端が折れてるやつを手に取らないとか、箱がつぶれている食品を避けるとかいうのをやっている筈。

モテとは何か-3

男と女の非対称というものがある。異性を排除する基準は男と女で同一じゃない。基準といっても、これは100%じゃないので、クセみたいなものだが(傾向ということですね)。
女は見た目で異性を排除するが、男は年齢で排除する。かなり年上の女性は無意識の内に排除してしまう。
34才の女性には、これまで排除してきた男の中に混じり、仲良くなって話していけばモテるようになるとアドバイスした。男も同じ、年上女性の中に入ればモテるようになる。
具体的にはどういうことかというと、小飼弾はきちんと言ってくれたね。「養老院しかない!」(笑)
これは以前のばあやの話ともリンクする。
大阪でこの話をしたら、実際にそこで働いている人から「老人ホームで50以下の男はモテる!」というレスポンスがあった。
34才女性が難易度の低い男から初めて徐々に徐々に訓練されていくように、中年独身男性も難易度が低いおばあちゃんから初めて10才20才と年齢を下げつつ訓練すれば、確実にモテるようになる! どんな男でも磨けば光る!
件の34才女性からは、私の言う「モテ」ってそういうことじゃないんですけど……と言われるかもしれないけど、それは御免なさい(笑)。


(次回に続きます)

*1:これはカメラやってる人だとすごく良く分かると思う