日本オタク大賞2009
しっかりチケットをゲットできたので、今年もオタク大賞に行ってきた。例年通りのオタ的バカ話の連続で楽しかったよ。やっぱりオタク大賞はお笑いイベントだな。
ただ、例年はCS放送があったのだが、今回は大人の事情により無し、その代わり、今月末にニコニコ動画のロフトプラスワンチャンネルにて放送されるのだという。CSよりもこっちの方が観易いって人が多いかもしれないな。
登壇したのは司会の藤津亮太、東海村原八、志田英邦、前田久、奈良崎コロスケ、鶴岡法斎の6人。
今年も、まず各出演者がそれぞれ選んだ2009年のトピックについて皆で語り、その後大賞を決めるという進行だった。
いつも通り、自分にとってもの凄く面白かったり、印象的だったものについてメモとしてまとめたい。
私なりのバイアスがかかったまとめ方なのでご注意を。特に、発言の時系列はかなり変えている。括弧内は覚えている限りの発言者の名前、もしくは私の感想なのだが、適度に省略した。←はツッコミ的コメント。
究極の道楽プラモメーカー、ウイングナット・ウイングス
- (東海村)『ロードオブザリング』の映画化で一山あてたピーター・ジャクソンが出資して設立したプラモメーカー。売れ筋を完全に無視し、ピータージャクスンが欲しい複葉機なんかをもの凄いクオリティでキット化している。世界中のおっさんが大喜び(笑)。
- 海洋堂の宮内専務も話題にしていたが、自分が本当に欲しいものを商品にするという、初期ガレージキット業界的スピリッツがある*1。
- 模型・フィギュア業界は皆、日銭を稼ぐのに精一杯。メガミマガジンを読みながら次の商品を考えたりする。
そんな中、ウイングナット・ウイングスの商品をみて、反省する。こんなオトナになる筈じゃなかった! って。そんな2009年でした(笑)
F22ラプター調達終了 幻の廚戦闘機に
「家電芸人」、「ガンダム芸人」、「○○アイドル等」、オタク領域を侵食するオモテの人気者
末次由紀、島袋光年の復活
ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)
トリコ 1 (ジャンプコミックス)
- (奈良崎)特に末次由紀はトレース事件から3年しか経ってないのに、見事に復活した。実力のある人はちゃんと復活する。
- 競技かるたのマンガなんて他に無いので、トレースしようが無かったんじゃ(笑)
- (鶴岡)俺が言うと変な感じになるけれど、パクリとかした時はきちんと謝らないといけないと思います!
西島大介 マンガ原稿流出を単行本化
- (奈良崎)女の子みたいなタイトルだけれど、中身はハード。
- 原稿紛失時の慰謝料を凄く具体的に描いている。相場は原稿料の3〜10倍と言われているが、ちょっと言ったらドンドン上がるさまも。
- それを、あの白い画で、かわいく書いている。しかも、怒りというよりも、分析的に描いている。一つのエポック。教科書的なマンガになった。
- 非マンガ系出版社である河出書房の話を太田出版から出すというのも良かった。
- ブログで恨みつらみを吐き出すよりも、このようにエンターテインメントとしてネタにしたり昇華させたりする方が、作家として正しいんじゃなかろうか。
- マンガ家はブログをやらない方が良いのでは? たけくまメモに噛みつく須賀原洋行なんてのは、あんまり良い構図じゃない。
マンガ家マンガブーム
- (奈良崎)もういき着くところまでいってしまった感じ。
美人の奥さんがいたのだけれど離婚して、本のキャッチコピーは「下には下がいるんです」(笑)。
マンガ家がブログで恨みつらみを吐き出すということを散々やったので、これから喧嘩する人は辛い。
『バクマン』も今後編集部とこじれる話をやるのだろうか? ←もうやっちゃったのでは?
「魔法なんか信じない〜」にも関連するが、そういうのはフィクションでやった方が幸せ。
月刊マンガ誌創刊ブーム
ジャンプSQ. ( スクエア ) 2010年 02月号 [雑誌]
ゲッサン 2010年 02月号 [雑誌]
- これはどういうことかというと、月イチで20〜30ページ連載というのが、アシスタントを雇わないで喰っていけるギリギリのラインという背景がある。あくまで人間らしい生活ができる最低ラインということだが、それで単行本が売れればこっちのもの。
- ある意味マンガ誌の文芸誌化か?
娘TYPE創刊
DVDで乳首をみせるブーム
- (前田)地上波放送では湯煙や謎の光線といったあの手この手で乳首を隠し、DVD版ではしっかり乳首を見せるという手法がブームに(笑)。
- しかし、それも行き着くところまで行った感が。『クイーンズブレイド』では遂に謎のエアブラシ処理が登場。これはいったい何を表してる現象なのか、作る人もエクスキューズする気が無い(笑)
いつか誰かに怒られちゃうのかな? 「そのブラシの下には何があるんですか?(蓮舫風)」みたいに。
マッサージされてる女の子の顔が何故か上気するとか、二年くらい前は馬鹿なことやってんなとか思ったが、どうもマジらしい。深夜アニメの着エロ化。
アニメ劇場作品ラッシュ
劇場版「空の境界」殺人考察(後) 【完全生産限定版】 [DVD]
奈須きのこ
センコロール (完全生産限定版) [DVD]
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』
- (藤津)とにかく打ち合わせで盛り上がった。打ち合わせ3時間のうち2時間がヤマト話で潰れるという異常事態。
- (前田)『ヱヴァ』新劇場版は若者ばかりで、「今回初めて映画観るの〜」という年下を見て「ケッ!」と思ったが、初めて劇場で『ヤマト』を観て「これか!」と思った。やっと気持ちが分かった(笑)。
- 確かに劇場は煮染めたようなオヤジばっかだった。
- ある意味幸福の科学が作るようなアニメとと同ジャンル。
- タイトルロールに「原作 石原慎太郎」ドーン!「キャラクターデザイン 国友やすゆき」ドーン!村生ミオの名前も探してしまった(笑)。
- タイトルロールのフォントもデカい。プレゼンテーションの高橋メソッドみたい(笑)。
- あの世界には「男だけ死ぬビーム」とか、「服だけ破れるビーム」とかいうのが存在する。だから森雪は普通に生きていて、第二部に登場すると思う(笑)。
- 「その敵はヤマトが引き受けた!」なんて感じで、なんでもかんでもヤマトが引き受けるんですよ。引き受けすぎだろ! と。
- 新しいヤマトは波動砲を6連発で撃てる。で、ちゃんと最後の敵の「壁」が5枚なんですよ(笑)。SUSも、6枚にしておけばねー(笑)。
- 話はメチャメチャだけど、クオリティが凄い。デザインは小林誠がやっている、モデラーだけあって、一から作るのも上手いが、アレンジも上手い。トンチンカンな映画をビジュアルで支える小林誠の良い仕事。ちゃんと『YAMATO2520』に繋がるデザインになっている!←それ激シブすぎて誰もついていけないよ!(笑い)
劇場ではまだやっている。そんなわけで、一見の価値はあると思います。お話は最低だけど(笑)。
2009年のゲーム業界
FF
- (志田)『FF13』はネットでレールプレイング・ゲームと呼ばれている(笑)。20時間くらい一本道な展開。
- (それ、プレイするモチベーションは何なの?という問いに対し)エンディングが楽しいんじゃないか? と思ってプレイする。僕は「修行」と読んでます。
- 操作も凄い。ドラクエは戦闘前に「ガンガンいこうぜ」とか「呪文つかうな」とか指示を出し、オートで戦闘する。『FF13』は戦闘中に、おまえは「ガンガンいこうぜ」だけど、キミは「呪文つかうな」……みたいな指示を出さなくてはならない。凄く頻雑。
- だけどそれもしょうがない。FFというシリーズは革新的なことをやらなきゃいけないという十字架を背負っているから。
- 本当に豊作なの? ジュースにしかできないミカンがいっぱい採れたみたいな感じ?(笑)。
- それでもFFは売れる。我々が買わなければFFもマシになるかもしれないが、そうもいかない。押井さんが『アバター』に負けたと言っていたが、FFも『アバター』に負けたと言っておけば良いのに。
- キャラクターデザインを務める野島一成がビジュアル系やホスト業界のファッションを決めているような部分がある。チャックがいっぱいついた服とか。オタクなのに!
iphone3Gのゲーム
mixiアプリの転換
『ヤッターマン』実写化
- (鶴岡)ゾロメカのところで泣いた。だって大河原邦男が半笑いで書いたようなメカがCGできちんと描かれるんですよ。
- 三池さんの投げやりなところがプラスに。冒頭の渋谷の「ハッチ公像」とか、タツノコならやりかねぬ系のゆるいギャグ、笹川さんしか笑わないようなギャグまで再現している。
- 三池さん、パンフレットにて「よく自分なりの解釈を入れる人がいますが、必要無いと思うんです」と、『CASSHERN』の悪口を遠まわしに言っていた(笑)。
- シーシェパードのエディ・ギル号ってタツノコっぽくない? 口とか開きそう。←きっとヤッターアンコウにやられて沈没したんですよ(笑)←(東海村)モデラー的にはエディ・ギル号の羽根の曲線の駄目さが許せない。
- だってさ、今これだけCGが発達してるのに、笹川さんのヅラがヅラって分かるんだよ(笑)。
- 世代的に『ヤッターマン』を観たことないのに、頑張ってたフカキョンを褒めたい。
アニメ『ヤッターマン』終了
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『ファイト一発! 充電ちゃん!!』
『ファイト一発!充電ちゃん!!』Connect.3初回限定版 [DVD]
- ヒロインが金属バットで殴られてしょんべん漏らすという、最早エロですらないエロと良い話が合体したビザールすぎるアニメ。一区切りつける為にしょんべん漏らす。
- ここで僕らが『充電ちゃん』の話をしないと、次に会えるのはアキバのワゴンセールかも。
パチンコ
『アバター』
『ワンピース』
ONE PIECE FILM STRONG WORLD オリジナル・サウンドトラック
サントラ
- 映画のオマケで0巻をつけるというのはよく考えたら凄い。他の作品で同じ手法を使えない。『名探偵コナン』0巻とかできない(笑)。
- 昨年まで劇場版『ワンピース』の客入りがどんどん下がって行った中、今年は興収40億円。シリーズを東宝に移すかという話もあったらしい。
- 『このマンガがすごい!』で2位にランクインしたことを批判されたりしたが、2009年の『ワンピース』は本当に凄かった。ジャンプでの原作マンガ連載は十数年目にして最大の盛り上がりをみせている。0巻を書き、映画の仕事もやりながら、連載では凄い書き込み。全盛期の鳥山明を超えている。
- でも尾田先生にインタビューしたら、「二度とやりたくないです」と言っていた(笑)。
ラブプラス
- (どういうゲームなの? という問いに対し)あのですね、リアル彼女ができるゲームなんです。←ちょっと待って、「リアル」じゃないよね(笑)。
- つきあうまでもゲーム形式なのだが、つきあってからが本番というゲーム。
- 『クラナド』は人生、『ドリームクラブ』は夢、『ラブプラス』は生活。ライターは生活が不規則だけれど、『ラブプラス』を始めると朝8時に一緒に登校する為に早起きしたりする。
- 中古の『ラブプラス』には昔の男の影がみえたりするの?(笑)
- 『ラブプラス』といえば、以前オタク大賞にも出演してくれたライターの宮昌太朗さんのエピソードを……。←なにそれ?
- あのですね、宮さんはお見合いの席に『ラブプラス』を持っていったわけです。一言でいえば二股ですよ(笑)。見合いの合間に『ラブプラス』を覗くという……。
- (奈良崎)あの、全エピソード頭がおかしいよね?(笑)
- (前田)困ったことにリアル過ぎて倦怠期がある。だから今日は家に置いてきました(笑)。
- (志田)本当に申し訳ないのだけれど、実は僕も途中で投げ出している。これ、本当に大変なんですよ。
- (前田)女って、愛が重いと辛くなってくるんですよ。←なんか格好良いぞ!
- 話が進むと5分くらいかかるキスを1回のデートで7回くらい要求してきたりする。マイクに囁く必要もあるのだが、面倒なのでマイクを擦って済ませようとしてもDSのマイクは感度が良いので通用しないんです!←『バンゲリングベイ』方式じゃ駄目なわけですね!
- (志田)本当に、こんなに苦しめられるとは……←志田さんはマゾだから、これが愛に変わるわけですね(笑)。
- (前田)今倦怠期を迎えているので、大賞に選ぶべきかどうか迷いました。でも、そう思うくらい僕の人生変わってきているってことなんです!取材に行く前なんか、ちょっとメール打っとくかとDS開くと、これから会おう! なんて言われて動揺する。
- (前田)普通に傍にいるのが当たり前すぎて、愛に気づかなくなっちゃうんです……。←なんか石田純一みたい!(笑)
- (志田)でも、こういうのが成立するのって、本当に奇跡的なことだと思うんです。
感想
というわけで、今年も面白かった。早めにチケットを押さえていた甲斐が合ったよ。
『オタク大賞』というイベントはどう考えてもお笑いイベントだと思うのだが、なんか権威があるイベントだと勘違いしてる人が多いらしく、検索してみると『ラブプラス』が大賞を獲ったことに「ふさわしい・ふさわしくない」と書いている人が多いことに驚いた。昨年は観客票を含めたら「擬人化TENGAたん」が大賞を獲りそうな賞なんだがなぁ。まぁ、上のような経緯があったということで。
上にまとめたのはネタ的に三分の一も無く、興味を持った人は是非とも250円払ってニコニコチャンネルを観て欲しい。今月末にアップされる予定だそうだ。
ロフトチャンネル - ニコニコチャンネル:社会・言論
補足としては、10月に行われた『オタク大賞R5』のまとめ記事なんかを読んで貰えると良いと思う。
オタク大賞R5〜オタクはつらいよ・望郷編〜2009年のロボットアニメ その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな
自分としては、これでニコニコ放送でのアップという形式が定着して、本賞である『オタク大賞』よりもカバーする領域を限定した分だけ面白さや濃さがアップしたと思うスピンオフ企画――『オタク大賞R』の未視聴回がアップされると嬉しい。第1回「井上敏樹はオタクの敵か味方か?」なんて、『ディケイド』を経た今となってはもの凄く興味が沸くんだよね。
あと、きっとチンプンカンプンだろうけれどもこれも勉強かと、悩みに悩んで「オタク大賞 ガールズサイド」のチケットを買ったら、整理番号が10番台でビビった。
日本オタク大賞 |オタク大賞に「ガールズサイド」
ある意味幻のイベントになるのかしらん?
*1:ちなみに送料は全世界無料らしい。スゲー!