イケメンはどこから来て、どこへ行くのか?:『オタク大賞Presents〜 Otome Awards 2010』 その2
上田繭子
『ハートキャッチプリキュア!』
- 2010年度オタク大賞を獲った作品ですが、「おまえら男子は本当に分かっているのか?」と言いたいです(笑)。
- 土日の朝にやってるアニメは中々アニメ誌とりあげない。『ハトプリ』は、その割にはクオリティ高い。
- シリーズの中でも異色。まず、キャラデザは馬越嘉彦。今まではギャルっぽい絵柄が多かった。
- キーワードは「チェンジ」。多分、オバマ大統領の支持率高い時に企画されたから(笑)。最近、あんまりチェンジ、チェンジと言わなくなってきた(笑)。
- 色んな世代が変身する。高校生キュアとか、おばあちゃんキュアとか。
- 赤はプリキュアの主人公にしては大人しい性格で、史上最弱のプリキュア。青は空気読めるような、読めないような娘(笑)。
- で、問題は黄と紫。実は金と銀。(戦隊でいうところの)シルバーとゴールド。
エクセレントモデル ハートキャッチプリキュア! キュアサンシャイン
- キュアゴールドことキュアサンシャインは、男として育てられてきた女の子。最初は本当に男と思われていた。半年間寝かせていたネタ(笑)。←白い学ランなんて面堂くん以来ですよ!(笑)
- そういや去年は男の娘ブームとかあった(笑)。
- 子供の為のアニメだけど、女はいつまで経ってもオトメ。もうね、女子は誰だって、白馬の王子様を待ち望んでるわけですよ(笑)。でも、現実には王子様なんていない。それなら自分が王子様になってやれ! という思いに決着をつけたのが『少女革命うてな』(笑)。でも、それはそれとして、女子だからやっぱり可愛いものも好き。そんな屈託がキュアサンシャインには溢れている。男装の麗人が、変身すると髪が伸びたりする。
岡田磨里(『黒執事』の脚本など)
フラクタル(1) (ガンガンコミックスONLINE)
マンデルブロ・エンジン 山本 寛 岡田 磨里 東 浩紀 赤崎 睦美
- 2000年以降のアニメは岡田磨里以前と以降に分けられる。
- 『黒執事』の他に、最近は『GOSICK』『フラクタル』『放浪息子』の脚本なども手がける。←ノイタミナ枠が多いんですね。
- これまでのアニメに出てくる女キャラってウザかった。なんか納得できない。しかし、岡田磨里は血の通った女キャラを書ける。男からみても可愛い。
- それでも、完全にリアルな女性キャラは書かないという。よくリアルな女性を書いてくれという依頼が来るそうなのだが、完全にリアルな女なんて現実で飽きてるので書きたくないのだそう(笑)。
- 原作人気が高い『黒執事』の続編アニメで、クロードとアロイスというアニメオリジナルキャラを出した。手摺でタップダンスを踊った後、部屋の模様替えをしたりする(笑)。
- 話の落としどころも萩尾望都や大島弓子をはじめとする少女マンガ24年組みたいだった。
小沢健二復活
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2010年 05月号
- おお! さっきまでとはうって変わって、皆一気に食いつきますねぇ!(笑)
- オザケンももう42才。←もう42才になっちゃったんだー(泣)←(笑)
- 全盛期は90年代。シブヤ系の王子様と言われていた。頭も良くて、東大で、叔父は指揮者の小澤征爾。←今で言うところの水嶋ヒロですね(笑)
- でも、「オザケンが好き!」というと、一部の人から「ケッ」と言われたりする(笑)。
- アラサー世代なら分かってくれると思うが、シブヤ系は色んな面白いものを教えてくれた。
- 今オザケンは何してるの?←お金持ちなので、世界を守ろうとしてるらしい(笑)。
- 昨年の13年ぶりのライブを行った。サイトを立ち上げてチケット売っていたのだが、口コミだけですぐ売り切れ。
- 元ファンとしては嬉しいけど不安。反グローバリズムみたいなのもしていて、MCでゴミの分別の話とかされたりしたらどうしよう?(笑)
- 今、テニスの王子様とか色んな王子様にハマってしまうのはオザケンという王子様にハマっていたからでは?←完全に愛憎半ばですね(笑)。←それがいなくなったので二次元に。
- 岡崎京子がライブに来てステージに上がっていたのも岡崎ファンの間では話題になっていた。
男子フィギュア
- 高橋大輔、織田信成、小塚崇彦のチーム男子に萌える! この三人が女子フィギュアの混雑したギュウギュウの観覧席で女子チームを追いかけてた。←どのテレビ局が客席をどうカメラで抜くか、話題にしてました(笑)。
- 閉会式でもこの三人がキャッキャ、キャッキャッ言いながらバルーンを追いかけてた(笑)。←見所はいっぱいあったんですね(笑)。
- 普段は大人しいのに、いきなり饒舌になったりする。ここで声が詰まってるのは、これこれこういうことがあって……と説明したい!(笑)←メンドくさいですねー(笑)。←男も同じことをサッカーや野球でやる。自分の文脈を熱く語る。
- ジョニー・ウィアーがやっとカミングアウト。でも、皆知ってたよ(はぁと)。←選手村で部屋が足りなくて、女性と同室になったらしい(笑)。
『ミュージカル テニスの王子様』
ミュージカル テニスの王子様 Dream Live 7th
演劇・ミュージカル 手塚国光 立海 青学 四天宝寺 ライバルズ 初代青学 青学5代目 大石秀一郎 白石蔵ノ介 仁王雅治
- 何も知らない人に『テニミュ』と言っても何の略か分からない。色んなことが起こりすぎて分からない! と言われる(笑)
- 中毒性がありえない!(笑) 夏公演に出てた子が、冬公演で育ってたりする。キャストの成長が凄い。
- 最初にみたときはヘタ過ぎて大爆笑。でも、馬鹿にしてると危ない(笑)。ハマる(笑)。馬鹿らしいことを一生懸命やってる子が可愛くなる(笑)。18〜20才くらいの信者が頑張ってキャラを読み込んで演じようとしてる姿にハマる。
- 去年、原作にテニミュが追いついた。ファンは取り残された。キャストを追いかけるようになった。でも、テニミュでは凄い扱いの役者も、他の舞台ではペーペー。クソみたいな扱い(笑)。けれども、興行側は俳優のファンが集まるのを知ってる。一顧のティーバッグで何杯も煮出されるみたいなやり口(笑)。舞台を観終わった後は「あの子、可愛かったねぇ」という感想しかない。
アミューズ
- 安定した仕事を求める人はナベプロかアミューズに行く。
- 三浦春馬、佐藤健、神木隆之介……可愛い子たちがいっぱいいる(笑)。
- 年に一回お祭りをやる。その名も「SUPER ハンサム LIVE 2010」! 特撮、テニミュ、普通(笑)……色んなイケメンたちが一杯出る。これが、チケットとれない(笑)。←パブリック・ビューイングでもチケット3000円します(笑)。←『ペ・ヨンジュン3D』と一緒の値段ですよ!(笑)
- 『テニミュ』なんかみてると、イケメンはどこから来て、どこへ行くのか? なんてことを考える(笑)。『デニミュ』の後、しがない昼ドラとか出て消えていくのをみると、私達ってわりと美味しい部分だけつまんでるのでは?(笑)←戦国鍋とかですね(笑)。
- ナベプロがわりと彼氏にしたいっぽい子が多いのに対して、アミューズは中世的な子が多い。お母さん気分になる、「私が支えてあげなきゃ!」と(笑)。
- 事務所によって好みがあるのはその通り。「ジャニーズ系」とか普通に言ってますからね。←ジャニーズさんのコレクションですから!(笑)
- 『仮面ライダー剣』で初めてアミューズ所属の役者がキャスティングされた。アミューズみたいな大手がここで役者がちゃんと育つと認識してるんだ! と驚いた(笑)。←今期でいうと、オーズとゴセイレッドがそうですね。
- 佐藤健は竜馬伝で岡田以蔵とかやってた。←最初、アルピニストと間違えました(笑)。
その他
- オタクと腐女子は違う。カバーしてる領域が異なる。
- 『週間添い寝CD』:バイノーラル録音で、まるで耳元で囁いてくれるよう。立ち位置まで変えてくれる。
- 女子向けパチンコ:実際はおばちゃんがジャブジャブ金使ってますよ!(笑)
- 『コミPo!』:2011年にくるコンテンツみたいな感じ。絵柄は男子向け。女子向け出したらどうか?
- 『ゲゲゲの女房』:アシ三人と水木先生の関係性が良かった。向井理もブレイク。
こんな感じでまとめ終了。
この後、皆で大賞と個人賞を決定。大賞は『戦国鍋TV』、個人賞として、『ときめきメモリアル Girll's Side 3rd Story』が両角賞、漫才コンビのロザンがおーち賞、『ハートキャッチプリキュア!』が上田賞、しゅうまいbotとからしbot(の関係性)が竹内賞を受賞した。
ちなみに司会のリタ・ジェイは『くもり時々ミートボール』を個人賞に選んでいたが、どう考えても全然オトメに関係なくて、悪意たっぷりだなと思ったよ(笑)。ちなみに、『くもり時々ミートボール』は本当に面白い映画なので、皆観るように。
くもりときどきミートボール IN 3D [Blu-ray]
自分の感想として。冒頭でも書いたが、今回もおっさんである自分には気づけない視点の話が満載で、面白かったよ。
特に『ハトプリ』におけるサンシャインとムーンライトの立ち位置については目からウロコだ。ムーンライトはアナザーアギトみたいなもんなのかもしれないねぇ。この点、男が女子向けアニメを作る構造を含めて、別エントリでまとまった文章を書くつもり。
一方で、『マジすか学園』にハマる女子が多いというのは納得だった。なんか、『マジすか学園』は女子でやおいをやるような雰囲気があるんだよね。たとえば、近年のAVではレズものが大人気だったり、男優ではなくAV女優に感情移入する男が増えているという話があるのだけれど、ジェンダーというものを何重にも越えたところに快楽があるのかもしれないなぁ、なんて思ったよ。
「アイドルはどこから来てどこへ行くのか?」話も面白かった。何故かライムスター宇多丸の『マブ論』における「アイドルにとっての幸せとは何か?」を連想してしまったのだが、おっさん・おばさんがかなり年下の美しい若者たちを商品として愛でるという行為には、それなりの屈託が発生して当然だろうな。
ちなみに、同行した友人は「私のイチオシ」が聞きたいのに「私のマイブーム大賞」ばかりでガッカリ……なんてことを言ってたのだが、いやいやオタ女っつーのはそういうものですよ、と反論しておいたよ。ただ、やっぱり去年みたいに藤津亮太と東海村原八にも出て欲しいなとは感じた。「○○が好きな私」話を、文脈やジャンルや歴史の視点に引き戻す役割を受け持つ演者が、リタ・ジェイ意外にもっと必要な気がしたなぁ。
また、よく分からなかったものも、確かにあった。たとえば、大賞候補を「2次元⇔3次元」「乙女⇔漢」を縦軸・横軸にしたマトリクスを示すボードに貼り付けて採点していたのだが、「乙女⇔漢」というのが、作品と受けて側どっちにとってのそれなのか分からなくて、ちと混乱した。『イナズマイレブン』を「漢」に分類していたので作品が漢的なのか乙女的なのかを指す概念かと思いきや、『刑事ドラマ』を「乙女」に分類していたりするので、よく分からなくなっちまったのだな。
でも、来年も参加してみるぞ! 嫁の許可が出れば。