かなまら祭り2010

日曜日。実家に帰るついでに、川崎大師近隣にある若宮八幡宮に行ってきた。一年に一度、4月の第一日曜日にかなまら祭りをやるのだ。


「かなまら」。この名前にピンときた方、正解だ。
漢字で書くと金魔羅、男根信仰、とんまつりJAPAN。息子にうっかり「ちんぽ祭り、行きたいか?」と聞いたら「ちんぽ! ちんぽ!」大興奮した結果の参加なわけだ。
ちなみに、嫁と娘は汚らわしいものを見るような目できっぱりと同行を拒否。マクガイヤー・パパは興味を示し、当初は三世代・男三人で見学する計画を立てたものの、当日になって面倒くさくなったのかドタキャンしやがった。
この経緯をつぶやいたらfavされたのだが、ふぁぼったーでは「ちんぽ」という単語が規制されるらしく、に置き換えられていたのがちょっと面白かったりもした。
http://favotter.net/status.php?id=11536088791


かなまら祭りについてはかねがね噂を聞いていたのだが、実のところ初参加だ。「エレ片のコント太郎」というラジオのポッドキャストをたまに聴いているのだが、昨年の今頃この話題で大盛り上がりになり、どうしてもこの目でみたくなったのだな。


さて、川崎駅で京浜急行に乗り換えるのだが、息子と二人で電車に乗り込むと、乗客の2/3は外人とやけにガタイの良い女性……ばかり。気分は盛り上がることこの上ない。


Wikipediaその他によると、かなまら祭りは江戸時代から続く由緒正しい祭りなのだが、1989年にエリザベス会館(日本最古のアマチュア女装クラブらしい)が公式参加したこと、それをフランスのジャーナリストが取材し、記事が世界配信されたことを契機に、海外で有名になったという。


金山神社 (川崎市) - Wikipedia


http://www.kanshin.com/keyword/1774545


一方、日本ではどのテレビ局も取材しない。放送コードがあるせいか?。


Wikitravelには――

Kawasaki's best-known event is the Kanamara Matsuri (金まら祭り), also known as the Iron Penis Festival

http://wikitravel.org/en/Kawasaki

"best-known event"とか書かれてIいるのだが、40年間川崎市に住んでる我が両親はどうみても初耳そうだったことは言うまでも無い。。



で、会場である若宮八幡宮に到着。最寄り駅は川崎大師駅になるのですが、川崎大師に行くよりも近かった。


昼前に着いたのだが、かなりの人出。半分以上は外人だ。
しかも、フランス語とかドイツ語とか、ベッカムみたいな喋り方の英語を話す外人ばかり。やっぱりEU圏からの観光客が多いのだろうか?



まずはちんこ飴を購入。皆、記念に買おうとしてるのか大行列だった。3才の息子は人混みに潰されそうになったのだが、親切な外人さんに助けてもらったりした。



大声で「ちんこ1本、まんこ一本!」と叫んで購入。
おそらく型に流し込んで作ったと思うのだが、赤と黄色、二色の飴を使用していて、異様に出来が良い。一昔前のガンプラでは「システムインジェクション」という1つのパーツの中に何色もの成形色を使う技術が多用されていたが、おそらくこのちんこ飴は人力システムインジェクションで作られているとみた。日本の匠の技だ! 1本600円だったのだが、ガンガン売れていったのも分かる。子供は「ちんこ飴、舐めたい」と駄々をこねたのだが、自慢のコレクションの一つとして、大事に部屋に飾ることとした。



その他、ちんこやまんこのイラストが描かれた手ぬぐい、Tシャツ、ふんどし等々が売られていた。若いお姉さんが「ちんことまんこの手ぬぐい、いかがっすか〜」と大声張り上げていたのが楽しかったぞ。


境内を散策すると、こんなものが。

御神体は金属製の男根であることから、「かなまら様」(金魔羅様)とも呼ばれている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%B1%B1%E7%A5%9E%E7%A4%BE_(%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82)



みうらじゅんに倣って絵馬もチェック。奇祭とかとんまつりとか呼ばれているのだが、かなまら様は安産祈願、子授け、梅毒除け、そして近年はエイズ除けとして祀られているのが分かる絵馬だ。



もうそろそろ良いかなと思って神社を出て、川崎大師周辺をブラつくと、タイミングよく御輿を発見。商店街をねり歩き、神社に戻る途中のようだ。



御輿は三つ。伝統のかなまら舟神輿、かなまら大神輿そしてエリザベス会館の猛者達が担ぐエリザベス神輿。勿論、エリザベスが一番人気。ピンクの光沢がたまらん。




この三つの御輿が大群衆と共に街をねり歩くさまは、まさに非日常の極みだった。


また、有志参加というか、調子に乗った外人や一般人のパフォーマンスもあった。



ちんこ外人。境内だけでは飽き足らず、駅前に繰り出してビール飲んだりしてたのだが、誰も止めない。それどころか、子供と写真撮ったりして、皆のアイドル的存在になっていた。


こういうフェスティバルに積極参加して大盛り上がりで楽しむのはやっぱり外人の得意分野かなと思いきや、日本人も負けてはいない。



この4人組は金属製のかなまら様ならぬダンボール製のほうけい様をかつぎ、有志参加の中では一番のパフォーマンスをみせてくれていた。エリザベス御輿も当初は有志参加だったわけで、火星人の自分としては彼らの今後の活躍を期待したいところだ。


ただ、あまりにこなれていたので帰宅後に検索してみたら、やはり芸人さんだった。ワハハ本舗の元氣安という方で、おいおい教の教祖らしい。


★おいおい教 公式ブログ 「おいログ」


そういうわけで、息子と二人で非日常感を満喫できた週末だった。
や、祭りというのはすべからく日常を逸脱した非日常感にこそ魅力があるのだが、「ちんぽ」という御輿に外人も女装子もゲイも芸人も全て乗せきり、全く喧嘩しないばかりかマジョリティの支持までもとりつける、かなまら様の懐の深さに感じ入った。チンポ・イズ・ビューティフル。