2013-01-01から1年間の記事一覧

会社という寓話:『ある会社員』

自分は日本で公開される韓国映画に全幅の信頼を寄せていて、あらすじに「殺人」とか「残酷」とか「暴力」みたいな単語が踊る韓国映画は欠かさず観るようにしているのだが、だいたいどれも面白い。 先週観た『ある会社員』も面白かった。 商社を装った殺人請…

この国に夢なんてない:『はじまりのみち』

世の中には二種類の男がいる。マザコンかロリコンかの二種類だ。おれは前者なのだが、原恵一初の実写作品『はじまりのみち』はそれ以外の意味でもツボに入る映画だった。 『はじまりのみち』は映画監督 木下恵介が戦時中、脳溢血で寝たきりになった母をリヤ…

怒りの資格:『今日もいい天気 田舎暮らし編』、『同 原発事故編』

お気に入りのラジオを聴きながらコーラとか飲みつつ360をプレイするのが最高の幸せと考えている昨今だ。 先々週くらいの『きかせられないラジオ』で紹介されていた『今日もいい天気』を読んだのだが、えらい面白かったのでご紹介したい。 ある程度年齢のいっ…

おっさんのゆるさ:『久住昌之のこんどは山かい!? 関東編』

なんでもドラマ版『孤独のグルメ』シーズン3が準備中のようで、非常に嬉しい。それも赤羽ということは、やはりまるます屋で撮影なのだろうか。ドラマで紹介されて混む前に一度行っておきたいなぁ。実は、『Dr.マクガイヤーの冒険式映画ゼミ』の撮影は赤羽周…

歴史の終わりと文明の衝突と新しい戦争:『セデック・バレ』

やっぱり、映画っていうのは半裸の女が泥まみれで乱れ合ったり、半裸の男がジャングルで殺し合ったり、裸の怪獣が放射能火炎を吐き合ったりするものだと思うんだよね。難病を患った恋人のために泣き崩れたり、イケメン男女がお台場で乳繰りあったり、テレビ…

『アイアンマン3』のシナリオのおかしさと邪推について

楽しみにしていた『アイアンマン3』、自分は公開初日に観たのだが、面白かったのか面白くなかったのか、未だに自分の中で判断つきかねている。 いや、頭カラッポにして観れば面白い映画だと思うよ。 以下ネタバレだけど、予告編のネタバレを気にしない人なら…

移民の西部劇:『ラストスタンド』

『ラストスタンド』鑑賞。あんまり期待していなかったのだが、存外に面白かったよ! 『コナン・ザ・グレート』や『コマンドー』がヒットし、アクションスターとしての立ち位置を確立し始めたものの、『バトルランナー』という微妙すぎる映画に主演してしまっ…

世界よ、これが日本の変態だ:『HK 変態仮面』

ええ年こいた大人の男であるにもかかわらず、映画も観ず、ゲームもやらず、漫画も読まない奴は信用できない――自分はわりと本気でそう考えているわけですよ。 別に観る映画や読む漫画雑誌はなんでもいい。10代なら10代、30代なら30代にとっての読むべき漫画雑…

スーパーレイプ大戦と『プロメテウス』

「ゲロとレイプがある映画はいい映画」をテーマにしたニコ動番組もおかげさまで好調だ。皆様、有難うございます。次回もよろしくお願いします。 プロメテウス 4枚組コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray] そんな中、とある映画とレイプとの関…

ハングリー精神とクリエイティビティ:『シュガー・ラッシュ』

やっと『シュガー・ラッシュ』を観たのだが、ちょう面白かった。 コナミコマンドや”All your base are belong to us”といった親御さん向けと思しきゲーム関連のネタも面白ければ、「シュガー・ラッシュ」という劇中ゲームの外国から見た原宿テイストみたいな…

ニコニコ動画で番組はじめました:マクガイヤーの冒険式映画ゼミ No1.「ドラゴン・タトゥーの女」の巻

皆様、お久しぶりです。 今回、故あって、ニコ動にて映画紹介番組をはじめることになりました。 好きな映画について勝手なことを素人トークで垂れ流す番組なのですが、相手役を務めてくれた松原由布子さんと、(株)タチワニのプロの編集テクニックのおかげ…

あたしがウォシャウスキー:『クラウド・アトラス』

『クラウド・アトラス』を観たのだが、ウォシャウスキー兄弟じゃなかった姉弟は真面目だなぁと思ったよ。 映画の魅力というのは、誰がなんといおうともゲロとレイプ、言い換えればセックスとバイオレンスだと自分は思うわけだ。 バイオレンスといっても、単…

『ギンガフォース』と『レイディアントシルバーガン』と90年代アニメ

ギンガフォース 友人から献本ならぬ献ゲームとして『ギンガフォース』を頂いた。 あざーす! 生きていれば、嬉しいことの一つや二つあるものですな。 思わずガンガンギギーンと前につけたくなってしまうタイトルのシューティングゲームであるが、100円玉を握…

ハン・ソロ・カーボナイト・コーヒーゼリー

スター・ウォーズ シリコンアイストレー ハン・ソロ in カーボナイト DX (キャラクター雑貨) というわけで、先日入手したデラックス版のハン・ソロ・カーボナイト・アイストレイであるが、結局コーヒーゼリーを作ってみることにしたよ。 やっぱりカーボナイ…

レゴ・ミニフィグ・チョコとハン・ソロ・カーボナイト・チョコ

また間が空いてしまったが、ゆるいネタで更新して誤魔化そうかと思う。 自分はレゴが大好きだ。どれくらい大好きかというと、迂闊にオリジナルモデルを作ろうとすると徹夜になって会社に遅刻しそうになり、「体調不良のため有休にして下さい」と職場に電話し…

言葉を手に入れたジャンゴ:『ジャンゴ 繋がれざる者』

思い返せば、タランティーノの映画では常に誰かが誰かのフリをしてきた。マフィアのフリをする潜入捜査官。忠義心を保ったフリをするマフィアの部下。スチュワーデスのフリをする運び屋。優しいママのフリをする女の殺し屋。引退したスタントマンのフリをす…

中二病の進化型としての島本和彦+特撮マインド:『ダークシステム』

『ダークシステム完全版』観賞。ちょう面白かったよ! レイトショーのみ・一日一回上映という公開形態から分かる通り、インディーズの自主映画なのだが、充実の内容だった。 浜辺で一枚の写真をじっとみつめる青年、加賀見。伸び放題の髪に眼鏡というその出…

彼女の理由:『ゼロ・ダーク・サーティ』

『ゼロ・ダーク・サーティ』鑑賞。約160分という長尺だが、最初から最後までアドレナリン出っ放しの傑作だった。 冒頭の拷問シーンとケツの殺害ミッションシーンを除けば、会議室でごちゃごちゃやったり、机に突っ伏しながらパソコン操作するシーンが多くを…

怪物か岡田有希子か:『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』

『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』鑑賞。 AKBのドキュメンタリー映画シリーズ第三弾である本作は、なんとアイドルの恋愛と卒業と成長がテーマだった。峯岸みなみの坊主騒動が本作のプロモーションなんじゃない…

何故AKBは彼氏を作らないことを公言するのか:「いいひと」戦略

ふう。約二ヶ月ぶりの更新だ。 某仕事がちょっと忙しかったのでブログの更新をしないでいたのだが、それも一段落したので、そろそろ再開しようかと思う昨今である。「おまえのブログがなかなかメジャーになれないのは更新頻度が低いせい」などと言われたので…