横浜開港博Y150:その他

 横浜開港博Y150の話の続きだ。
せっかく入場料2400円を払ったのでラ・マシン以外の出し物も見てみたのだが、や、ちょっとコレが非道いものだった。


 まず岩井俊二が脚本とプロデュース、北村龍平が監督というフレコミの「baton」というアニメを観た。


http://www.baton-y150.jp/


 「岩井俊二北村龍平」という組み合わせからして悪い意味でドキドキするのだが、結論から書くとそんなに悪くなかった、と思う。「思う」というのは、全三話から成る第二話しか観られなかったからだ。正直、わけが分からんかった。
 どうもリピート客を狙ってそういう上映方法を採ったと思われるのだが、私のように途中から観覧せざるを得ない客のことを考えていないというのは不味いのではないか。


 映像的にいうと、「スキャナー・ダークリー」みたいに実際の俳優を撮影した映像をデジタル画像処理したアニメだったのだが、デジタル化に問題があるのかカクカクした動きが違和感だらけだった。でも、コレが味といえば味なのかもしれないな。
 でもでも、実写映像にとらわれ過ぎているせいか、主人公に変なOSがインストールされてどーたらこーたらという説明を全部台詞だけで済ますのはどうかと思った。岩井俊二らしいといえばらしいか。


 ただ、上戸彩が意外にも声優としてイケていたことが判明したのは収穫だったかも。アニメのオファー来るんじゃないか?……と思いつつ帰宅後にWikipediaで調べてみたら、もう声優仕事をしていたのだなぁ。
上戸彩 - Wikipedia



 さて、もう一つの見所らしき日産のパビリオンに行ったのだが、こちらは最悪だった。
 まず「スーパーハイビジョンシアター」でスーパーハイビジョンな映像を観せられるのだが、ビー玉が画面上部から降ってきたり、青森のねぷたや水族館の映像が無意味に繋がれたりと、どう深読みしても「スーパーハイビジョンはこんなに綺麗ですよ」というメッセージしか受け取れない映像であった。つまり、映像は綺麗だけれども観ていて最高につまらない、ってことだ。
 次に、電気自動車の周囲に座らされて「日産の電気自動車はこんなにエコでバリアフリーで素晴らしい!」という映像を観せられる。何故、2400円払ってCMを観なきゃならんのだ?と大いなる疑問を抱いたことは書くまでもないだろう。


 最後、変な紙になんか書けと強制されるのだが、もう本当に嫌だったので無視してパビリオンを出ようとしたら鍵が掛かっていて出られない!
 渋々、「エロゲーがこれ以上規制されませんように」と七夕の短冊ライクなことを書いて、出て来たよ。


 まぁ、そんな気分になったのは帰りがけに新宿で「宮本武蔵双剣に馳せる夢―」を観たせいかもしれん。これ、先述の「baton」や「スーパーハイビジョンシアター」の10分の1、いや100分の1以下の制作費だと想像するのだが、100倍面白かった。いや、私が押井守信者だということを割引いて考えてもらいたいのだが、それでも大抵の人が「宮元武蔵〜」の方がマシであると評価すると思う。


 横浜で博覧会といえば1989年にもあって、当時中学生だった私は大いに楽しんだ思い出があるのだが、20年後に同じく横浜で開催された博覧会が此処まで貧乏臭くなるのは不況のせいなのかしらん、と思った。
 日本のコンテンツ制作能力は落ちてないと思うのだけれども、金の使いどころを間違っているのではないか。


 まとめると、ラ・マシンだけは必見だと思うけれども、他は時間の無駄ということでした。