ベッドの下の蒟蒻畑

最近、オナニー話で盛り上がることが多い。
それも、どんな年代、どんな職業、どんな属性を持った人間とも、オナニー話で盛り上がる。勿論、男限定なのだが、どんな男でもオナニー話で盛り上がるんだよね。
何故、こんなにも盛り上がるのか。ちと考えてみたのだが、セックスの話と比較してみると答えが見えてくるのではないかと思った。
つまり、セックスの話をすると傷つく人間がいる。童貞とか、自分のように童貞歴の長い人間なぞは特にそうだ。しかし、オナニー話をして傷つく人間はいない。いや、正確に書くと、自らのオナニー歴を強制的に開陳させられるのは問題あるだろう。しかし、自ら積極的にオナニー話を面白おかしく語る分には何の問題も無いだろう、誰も傷つけないという意味で。


そんなわけでオナニーだ、オナホだ、いやオナカップだと熱く語る機会が多いのだが、あれですな、最近の若者はオナニーといえばTENGAなんですな。
TENGA ダブルホールカップ
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自分はTENGAのひっかかる感触が苦手で、オナホの方がコストパフォーマンスも良いんじゃないかと思うのだが、TENGAの方が圧倒的に買い易いらしい。なんでも、「本人から型取りしました!」みたいなコピーと共にニッコリわらってるAV女優とか、安っちいアニメ絵なんかが描いてあるオナホのパッケージが駄目なんだそうだ。あれが良いのになぁ。株式会社典雅のイメージ戦略大成功というべきか。
名器の品格 下つき
B001H0GCSQ



つまりですな、オナニーとセックスは全く違う種目なわけですよ。世間では、オナニーはセックスの代用品という認識が一般的かもしれないが、断じてそんなことはない。
もっといえば、オナホってのは妄想とのセックスであるわけだ。目の前にあるものはただの現実に過ぎない。現実は常に間違っており、妄想は妄想である故に常に正しい。妄想が現実を圧倒し、駆逐する。その為のアイテムがオナホなのだ! 諸君、オナホを手に立ち上がれ……というようなことを滔々とまくしたてるわけだ。いや、楽しいねぇ。楽しいよ。


そういことを夜な夜な語っていると、ある時一人の若者から質問された。

「マクガイヤーさんはカップラーメンや蒟蒻の経験はあるんですか?」

カップラーメンは全然駄目、蒟蒻は学生時代に愛用してた――と普通に答えたつもりだったのだが、何故かどよめき。「すげー」とか「さすが!」とかいった声まで上がる。何故だ?
禅のこんにゃく 250g 白
B001HU300O


――聞いてみると、最近の若者は蒟蒻に自分の息子を入れるという行為をしないらしい。うーん、蒟蒻なんて誰もが一度は通る道だと思ってたのだが、これも時代ってやつなのか。
いや、真面目な話、エロへの情熱が創意工夫を生み、人間を進歩させるってのは真理だと思う。β対VHS、MacWindows、インターネットの普及……技術の趨勢の背景にあったのはエロを希求する人間達のパワーだった。
で、ネットで検索してみると「片栗粉で自作オナホ」「ペットボトルと合体させて吸引力UP!」なんてのがポンポン見つかるので、最近の若者達も創意工夫に励んでいるのかなと思いきや、蒟蒻如きで驚かれるのは意外だった。これがゆとり世代ってやつなのか? TENGA登場により創意工夫が失われてしまったのか? 私(やネットの猛者たち)が変態なだけなのか? 確か相原コージか誰かだったろうか、深夜のコンビニにたった一つ残った蒟蒻を求めて争いあう男達の姿を四コママンガに書いていたりしたのだがなぁ。


そこで、蒟蒻の使い方を懇切丁寧に説明することにした。「コンビニよりもスーパーにて野菜等と一緒に買う方が怪しまれない」「結局、摩擦というものが快楽であるので、蒟蒻をまな板に置いた状態で、脇から包丁を入れるようにして挿入口を作る」等々……。


最後は勿論Q&Aだ。

「先生、蒟蒻は使い捨てなんですか?」
いや、学生の頃でカネも無かったし、仮にも食べ物を一回こっきりのディスポーザブルにするのは心が痛んだので、洗って何回か使用したよ。

「臭くないんですか?」
ツブツブ(ひじき)が入ってる黒蒟蒻よりも白蒟蒻の方が良いよ。

「先生、保管は冷蔵庫ですか?」
ママンに「あんた、何でこんなに蒟蒻買ってるの?(笑)」なんてことを言われないために、冷蔵庫は避けたよ。

「じゃ、どこに置いといたのですか?」
ベッドの下に保管したよ。でも、夏場なんかは二、三日で色とりどりのカビが生えるので、一度は肌を合わせた相手が、こんな凄惨な姿になるものかと、切なくなったよ……。


ここいら辺で当日一番の爆笑が起こったのだが、いや本当に切なくなるんだってばよ!