天上TENGA唯我独尊:オタク大賞2008
ついに唐沢俊一も審査員から降り、第一世代が全く居なくなった日本オタク大賞*1。今年はニコニコ動画にアップされる映像だけ観ても満足かなと思ったのだが、ローソンに行ったらまだチケットを売っていたので買ってしまった。例年は10日前になるともう売り切れになっていたのだがなぁ。
ちなみに昨年の感想は以下。
http://blog.livedoor.jp/macgyer/archives/51209702.html
結論から書くと、世代交代がなされた故か、なんか普通の賞になってしまったという感じもあるのだが、上の世代が居なくなった為か審査員全員のキャラが際立ち、トークイベントとしては面白かった。
以下、自分にとって面白かったポイントのみをメモとしてまとめる。勿論文章にする時点で私のバイアスがかかっており、一部ニュアンスが異なるところがあるかもしれないが、今年もきちんとCSで放送されるので気になる人は本放送をチェックして欲しい。確固内は基本的に私の感想。
2008年を振り返る
ゲーム編
- 「モンスターハンター ポータブル 2nd G」が大ヒット。でも実際は非常にこってりとしたゲームで、最初の100時間は辛いことばかり。それ以降が楽しくなるという辛いバランスのゲームで、流石カプコンという感じ。
- 「獣姦ゲーム」という新たなジャンルを開発したゲームでもある(笑)。でっかいゴリラが女ハンターを襲ったりする。
- 月刊少年ライバルというボンボンの後継誌の看板タイトルがモンハンの漫画だった。しかも作者は真島ヒロ。いつも誰かに似てるなぁ(笑)。
- 一夜にして勝敗が決まったブルーレイであるが、矢沢永吉のCMが放映されて初めてブルーレイという単語のpronunciationが分かった。ブルーレイ(前にアクセント)。
- しかし、ブルーレイ案外寿命短いんじゃないか説というのがある。次のメディアは恐らくハードディスク。ニコ動もハイレゾに対応したし、AVもブルーレイでそんなに出ていない。だからPS3もあんまり売れてない。
- 最近の洋ゲーは掛け算、和ゲーは足し算的な思考で作られている。
- DSi。”i”とつくと、何かあるのでは?京都にりんごがなるのでは?と妄想してしまう。
アニメ編
- パチンコ屋の前でエヴァの主題歌を吹いているチンドン屋がいたのだが、この光景を劇場版が公開された97年頃の自分に伝えても絶対に信じないだろう。
- 今、三大アニメ誌というと売上げからいってニュータイプ、アニメディア、そしてメガミマガジンの三誌になる。
- ヒット、メガヒットに並ぶ概念として「メガミヒット」というものがある。「ストライクウィッチーズ」や「かのこん」のような、二万本くらいを確実に売る企画。
- 「ストライクウィッチーズ」のスタッフ間で、登場人物が履いているアレを「パンツ」と呼ぶか「ズボン」と呼ぶかそれともパンツルックでいうところの「パンツ」と言い切るかで大激論が交わされた(笑)。結局「ズボン」に落ち着くことに。
- 監督である高村和宏に「股監督」という渾名がついた。
- テレビアニメにおける濡れ場描写は、BLとゴルゴ13だけは別枠扱いで許される。
- メガミヒットに代表されるように、アニメ業界は手堅い商売が流行っている。その象徴が「マクロスF」過去の名作シリーズの新作であり、過去ネタもきちんと拾い、パチンコ化までする(噂?)という、正にきちんとしたマ―ケティングシリーズに則ったおっさんホイホイ。
腐女子編
- 男は怪獣やロボットのスペックが記されたリストで大興奮するが、女はリストをみても興奮しない。目線が違う。女性は一つのキャラに特化していく。
- 男性が作った本は情報量が多いが、女性の感性はそこには向かない。
- 腐女子の2008年は「電王」、「リボーン」そして「00」の三作で決まり!がゆんダム強し!
- この世界、石を投げればテニミュ(ミュージカル・テニスの王子様)に当たる。テニミュのキャストはほぼ1年半ごとにメイン校である青学キャスト陣が一新され、青学OBが10人ずつ増えていく。他校も入れると相当な数。現に次のライダー俳優もテニミュOB。
- あと何十年か経つとデブでハゲたおっさん俳優が「俺達も昔はテニミュで……」と夏貸し話をするのではないか(東映ニューフェイスみたいな感じか)。
- 「学園ヘヴン」のミュージカルがスゴい。テニミュのBLはあくまでも同人誌でのこと。でも「学園ヘヴン」はオフィシャルでBLをやっている。
- それは「セーラームーン」の舞台化と「シャイニング娘」の舞台化くらい違うということですね?(笑)
模型編
映画編
- 「ウォーリー」凄かった。日本とアメリカは第二次大戦以降も金融、自動車産業……と、色々な形で戦争をしている。現在はオタクコンテンツという枠で何度目かの太平洋戦争をしているのだが、敵の力は凄い。例えばM-Oというお掃除ロボットが登場するのだが、凄く良い動きをする。主人公を凌ぐ魅力を放つ脇役を作る技術も凄い。これに比べると日本のオタコンテンツは、職人が作ってるけど貧乏臭いものという気がする。
ディズニー DXアクションフィギュア クリーン&ゴー M-O (モー)
- 「ウォーリー」に出てくる人間は皆前田久(笑)。
漫画編
- 何はなくとも「墓場鬼太郎」。昨年、「水木しげるファンは鬼太郎が原作通りにアニメ化されることなど、とうの昔に諦めている」と発言したが、なにちゃんとアニメ化してるんだよ!(笑)血液銀行とか以外は忠実に再現している。
- オープニングも最高で、しょこたんやピエール瀧の声優としての意外な上手さにもびっくり。
- ニコニコ動画のコメント欄なんかをみていると、最近のアニメファン達が寝子やニセ鬼太郎などがあっさり死んだ挙句、決して復活しないことに驚いていたことに驚いた(こういう時にニコ動って役立つよね)。「生き返らせる為にボールを7個集めるんじゃ!」みたいなのは戦争体験者である水木漫画にはない。
- ポップなテクスチャーとか色使いとか、アニメならではのところもあったので、あまり原作通りを強調しすぎるのもどうか。
- 今年のトピックの一つとして、新都社というウェブコミック投稿サイトの盛り上がりがある。勿論玉石混交なのだが、「オナニーマスター黒沢*2」とか「オーシャンまなぶ*3」なんて本気で面白かった。
- 同人誌出せば良いのに、とも思うのだが、コミティア行くのも面倒臭いという人がアップしているのだろうか(笑)。ともかく、作品発表までの敷居がこれまでになく低いのは確か。
- そのうち「定年したらマンガでも描いてみるか!」みたいな人が現われるだろう。「定年したら俳句でもやるか!」みたいに。しかもそうやって書かれたマンガが面白かったりする。
- そういや、瀬戸内寂聴がケータイ小説書いていた。そのうち瀬戸内寂聴「CLAMP加入!」みたいなことがあるかも(笑)。
TENGA擬人化編
- 何年か前のオタク大賞で「擬人化」を対象に選んだのだが、ついにTENGAを擬人化したツワモノが現われた。それがこれ、TENGIRL!*4(笑)
- 今日TENGAを紹介すると販売元に連絡したら、アホほどサンプルが送られてきた。だから後でプレゼントします(笑)。
- TENGIRL、普通に絵が上手い。これを見ながらTENGAを使えば、全てが完結する!ウロボロスの蛇みたいなもの?これが2.5次元ってやつですか、倉田さん?いや4次元か?(笑)
- そういやコミケでもオナホールを売ってる「オナホの偉い人」というのがいた。
- アメトークのケンドーコバヤシなんかがネタにして、「TENGA」はネタにして良いという空気を作った。タブーを打ち破った。
- オタクとセックスのタブーの関係に絡めて興味深い。オナニーのことはタブーだけど、オナホのことは話題に出来る。セックスのことはタブーだけど、SMのことは話題に出来る、みたいな。誰々はSですとかMですとかいう物言いも普通のことになった。
- エロゲーやエロ同人誌は大好きなんだけど、それでオナニーなんてしない!と主張している人達がいる。そのうち、擬人化TENGAたんは大好きだけど、TENGAでオナニーはしない!という人達が出てくるかも(笑)。
- 「かんなぎ」非処女騒動などがあったけれど、このTENGAたん達は全員処女なので安心して下さい(笑)。
【お試しセット!】 TENGA スタンダード 5種セット
TENGA FLIP HOLE フリップホール 【3種類ミニローション付き】
大賞選考
なんと今年はプロモーションの一環として選考風景の一部がニコニコ動画にアップされることに。
雑談
- 去年の青年マンガ誌を持っている人は裏面を見て欲しい。たいてい車の広告だ。2009年はこれが無くなる。つまり、コンビニ売りの青年誌はヤバイ。
- 「鶴岡さん、例年より伸び伸びしてますね」「今年は上がいないからさー」「去年なんて言っちゃいけないことがあったからさー」(笑)。
- 秋葉通り魔事件に関して話題にしようかどうか我々も迷ったのだが、オタクという問題以外にも派遣とかリア充憎しとか、色々な要素が入るので今回は触れないことにした。実際に死んでいる人がいるのに、その話題に触れた後同じ口で「擬人化TENGA!」と盛り上がるのも違う気がする。
- オタク大賞Rでとりあげようかという話もある。あの人ならこの事件に関して何と言うか?という興味もある。
- DSソフトは飽和状態。ラインナップには載っているけど、ショップのバイヤーが買わなくて、一本も市場に出てないソフトもある。
- 「マンガロン」を出版した後、メールマガジンを出すのでマンガに関するコラムを書いてくれという依頼がきた。でも、まとまった量が欲しいからいきなり40本の分量を書いてくれとか、その為のマンガ本は後で清算するのでとりあえず自費で購入してくれとか、ノリが明らかに出版関係ではない。なんかフワフワしてて不安なので断ったら、その依頼者が沢尻エリカと結婚した(笑)。
- でもエリカ様の旦那は国から金を引っ張ってくるところがスゴい。ああいう男のオヤジキラーというかオヤジ転がしというか、生意気で傲岸不遜だけど貴方の下でなら働きますよ的なことが上手い人間はどの業界にもいる。スタンドの一種かも(笑)。
喰霊-零- 1(限定版) [DVD]
前野智昭, 喜多村英梨, 柿原徹也, 小山力也, あおきえい
- 「喰霊-零-」には驚いた。公式サイトで登場人物とされていたキャラクターが第一話で全員死ぬ。一話目丸々フェイクで観客を引き込む。で、二話目からいったいどういう経緯でそのような状況に至ったかという話をやる。監督のあおきえいは稀代の釣り師。高山カツヒコの書く脚本も凄く良く出来ている。
- 「かのこん」「かんなぎ」「らき☆すた」「かみちゅ」……ひらがな四文字作品の区別がつかない。ひらがな四文字で中に星があれば良いのか?「ふな☆むし」とか。
- ラテ欄に掲載され易いという理由もある。
- オタクのカタカナをひらがなで書くセンス、そろそろ辞めないか?
- 出版業界はもうアニメ化に期待していない。CMも出さなくてはいけないし、タカられている。アメトークでケンコバに喋ってもらった方が有難い。
- 最近は帯にもの凄い労力をかける。漫画家が他の漫画家の漫画の帯を書くのも増えている。「王様のブランチ」で優香が大好きというので帯を依頼すると事務所からとんでもない額の請求が来たりする。
- 「三十代女子」とか「三十代男子」ってなんだ?「子」とかつけんな!次の仮面ライダーで「蝙蝠男子」とか出るか?(笑)
- 逆にいうと、もう「男」は怪人にしか使えない。「三十代男、万博跡地の対決!!」とか「独身女の逆襲!」とか(笑)。
- オタク大賞から「病気マン」が消えた。一時期、最前列にもの凄くこちらのトークに対して喋り返してくる奴が複数人いて、しかも両隣は知り合いじゃなかった。本気で対人恐怖症になりかけた。小林くんだけが救いだった。
- 腐女子は腐女子以外から腐女子と呼ばれるのが嫌(黒人同士なら「ニガー」と呼び合うこともあるけれど、白人が「ニガー」と言ったら殺されても文句言えないみたいなことかも?)
感想
「(笑)」をつけようかどうか最後まで悩んだのだが、ほとんど全てにつけないといけないので、余程のことが無い限りつけるのをやめた。そういうわけで、(笑)とついているものは通常の(笑)の何倍かくらいの大爆笑だったと受け取って欲しい。
ニコ動にアップされたの動画の通り、大賞は「ゲゲゲの鬼太郎(墓場鬼太郎&第5期)」ということになったのだが、私も擬人化TENGAで大拍手していた客の一員なので、ちと残念だ。
というのはさ、オタク大賞としては独自の価値観を提示するのが大事だと思うんだよね。「ウルトラマンメビウス(含む80)」とか「大賞なし(キーワードとして「秋葉原ブーム」他)ってのが、オタク大賞というイベントの独自性の確立と、権威化を防ぐ要因であったとも思うのだが。「オタクとセックス」、「オタクとタブー」等々、掘り下げれば深くなりそうな話題も出てくるしね。
「鬼太郎」でも良いのだけれど、もうちょっと考察を深めて欲しかったな。
例えば、私は「墓場鬼太郎」も「第5期鬼太郎」も楽しく観ているのだが、子供がツタヤで「墓場鬼太郎」のDVDパッケージを観て「変な鬼太郎がいるー!」なんて言うんだよね。
これはつまり、「鬼太郎」が二世代(もしくはそれ以上)に渡って通用するコンテンツになってきたということで、テレビでは「ガンダム00」を放送しながら同時にガンダムエースでは「ガンダムUC」を連載していて、その両方に客がついてくるのと同じことだと思うのだけれど、「鬼太郎」はそれを世界観のマイナーチェンジのみで対応しているという所がスゴいと思うんだよね。「Z鬼太郎」とか「ユニコーン鬼太郎」とか「鬼太郎エクシア」とか絶対に出てこないじゃん?
それは、水木キャラがいつの時代でも子供達の心を惹き付けるし、戦争体験からくる水木イズムみたいなものが世界観の底に流れている限り、どんな時代の大人達にも通用するということだと想像するのだけれど、そういう考察を付け加えて欲しかったなぁ、と。
ただ、トークイベントとしてみた場合、とても面白かった。司会としてシメる藤津亮太、トークを引っ張る特攻隊長である鶴岡法斎、イジられまくって汗をかきまくる前田久、常にダークなもの言いをする志田英邦、知的なコメントをする一方でエロネタ大反応の東海林原八、そして腐女子代表の倉田真澄と、審査員のキャラが立っていて、他の話題もこのメンツならどう料理するのか聞きたいなぁと思った(私は映画大好きなので、映画の専門家を呼んで欲しかったなぁというのもあるけれど)。今までは唐沢俊一や岡田斗司夫に遠慮していただけだったんだね。
あと、よく断絶があると言われるオタク第二世代と第三世代(前Q)が楽しそうにジャレあう姿を見られてちょっと幸福な気分にもなった(想像だけど、伊藤剛なんかはこういうジャレあいに対応できなかったのかも)。今までスルーしてきた「オタク大賞R」だけど、次回は行ってみようかしらん。