「岡田斗司夫のひとり夜話3」その1


岡田斗司夫が一人きりで何時間も理屈をこねまくるという超絶トークイベント「岡田斗司夫の ひとり夜話」に今回も行ってきた。


ちなみに前回までの内容のまとめと感想は↓の通り。


「岡田斗司夫のひとり夜話」その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな
「岡田斗司夫の ひとり夜話2」その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


今回のお題はシンプルに二つ。「恋愛の経済学」「人生の意味」どちらも社会学や哲学の講義みたいな内容なのだが、岡田斗司夫特有の視点が非常に面白くて、前回のガンダム話以上に興奮した。


前回のまとめ記事にもちょっと書いたのだが、ネタバレ防止とブログに書く範囲の件について岡田斗司夫本人とメールでやりとりしていて、どこまで書いて良いかイベント終了後にロフトプラスワンの楽屋で打ち合わせることになっていたのだが、「もう面倒だからここで公開打ち合わせをしましょう」と壇上に上がるという得がたい経験をしてしまった。
いつか私もロフトプラスワンのあの席に登壇して適当なことをくっちゃべるさまを夢想してたりしていたのだが、こんなに早くその機会が訪れるとは。いや、あくまでイベント終了後の打ち合わせなので、聞いてる人はごくごく少数だったけれども。
で、その打ち合わせの結果、今回はお笑いネタというよりも一つの論理やコンセプトなので、好きに書こうということになった。岡田様、信頼してくださりありがとうございます。

はじめに

  • 前回は延長に次ぐ延長で申し訳なかった。夜行バスで帰る予定の人から「岡田さんの話の途中で帰らなくてはいけなくて悲しい」とクレームがきた。反省しているので、今日は10時ごろには終わらせるつもりです。
  • このイベントは中年のおっさんが理屈を3時間こねまくるというものなのだが、ロフトプラスワンで行なわれるイベント中でも、ゲスト無しで完全に一人きりでやるのは珍しいらしい。あと他のイベントとの違いとしては、お客さんの集中力が高いらしい。確かに、1/3くらいはメモを取り、その何分の一かはこの後自分のブログに書く(笑)。
  • 「頭が良い」とは何か?「お金が一杯欲しい」と聞くと嫌な感じがするが、「頭が良くなりたい」というのはあまり嫌な感じがしない。
  • でも、頭が良くなっても、それで幸せか?という疑問がある。頭が良くても他人に利用されるだけかもしれない。マンハッタン計画みたいに原爆作らされるかもしれない。それに頭が良くても異性にモテない。男も女も元気の良いバカが好き。
  • 自分たちみたいな理屈民族はフリーザやピッコロみたいなもの。誰でも悟空が好き。
  • そんな僕たちがどうやって幸せになるかが今月のテーマ

話術とブログ

  • よく「話術が欲しい」と相談される。話術とは、トークとは何か、ちょっと考えてみた。
  • まず思いついたのがシンガーソングライターとの比較、というか喩え。シンガーソングライターの能力というのは以下の3つに分割できるだろう。
    1. 作詞
    2. 作曲
    3. 演奏
  • 対して、話術というかトーク力は以下の3つに分割できる。
    1. 内容(視点、論理性)
    2. 共感(感情のカミングアウト)
    3. テンポ、演出
  • この3つはそれぞれ対応している。
  • 「作詞」、「内容」:これらは予め準備できる類のもの。事前の仕込みや努力で解決できる。
  • 「作曲」、「共感」:自分の感情をカミングアウトする勇気。「芸人は客前で裸になる」という言葉があるが、その本質はこういうこと。
  • 緊張であがるのは当然。一番良い解決策は「今、あがってるんです」とカミングアウトすること。そうしないと、自分があがっていることが不自然になり、どんどん変になってしまう。
  • 「演奏」、「テンポ、演出」:とにかく場数をこなすしかない。「すべらない話」が面白いのは、あの番組に至るまでに、同じネタを何度も違う相手に繰り返しているから。僕も最近やっと馴れてきた。
  • で、これはブログを書く際にも同じことがいえる。
    1. 内容(仕込み、展開)
    2. 共感(感情のカミングアウト)
    3. 場数とキャラ
  • 特に他人のブログを読んで、下手だなと思うのは二つ目の「共感」に関して。正しい・正しくないではなく、書いてる人が先に恥ずかしい思いをするのが重要。僕たちみたいな理屈民族でも、どうしても感情で動いてしまう。感情を盛り込まないと他人の心を動かせない*1
  • 自分もGYAOの「ひとり夜話」の最終回でようやく「皆が好きです」といえるようになった。
  • 「場数」:同じ相手に違う内容を繰り返そう。
  • 「キャラ」:頭が良い人のブログは、これも知っている、あれも知っていると、万能兵器としての自分を作ってしまう。これはつまらない。「キャラ」というのは自分の中の9割を捨ててしまうということ。10のうち1か2で勝負するくらいで丁度良い。
  • 例えばオードリーの春日は「春日」というキャラを演じている。でも、それが彼の全てではない。だからキャラの「裏をみる」とかいう表現がある。
  • 自分もオタキングを名乗っていた頃はオタクの仕事しかこなかったのが嫌だったが、「キャラ」を立てる以上は仕方が無い。

恋愛の経済学-1

  • 今、「婚活詐欺女」とか「死の婚活女」とか言われてる34才女性話題による連続不審死事件が話題になっている。
  • 本田透が「電波男」で「二次元があれば良いんだ!」と言っていたので安心していたのだが、被害者にプラモの神様と呼ばれる人がいたという。「解脱」していても、現実が甘いこと言ってきたらコロリと騙されてしまうのか*2

電波男 (講談社文庫)
4062759241

  • もう一人、鳥取市内のスナックで働いていた35才女性も話題。6人の男性が不審死を遂げている。
  • 二人とも、それほど綺麗でもなければ若くもない。何故こんなにも多くの男性をひっかけることが可能なのか。
  • 20年ほど通っている常連のカイロプラクテッィクがあるのだが、そこのお客が体を壊した女性と、20年前から通っている僕みたいな50くらいの男性に、二極化しているという。で、男性客が皆判で押したように「何でオレ結婚できないんだろ?」というらしい(笑)。50なら、女性の目にはその先に「介護」という現実がみえるから、当たり前じゃん(笑)。20年前、30くらいの時は「まだまだ年貢は納めないぜ!」と強気だったのだが。
  • バランスが悪いと思う。女性側はこの不況で仕事がみつからない。働きたくない女性もいる。対して、男性側は結婚したい。何故この両者が出会わないのか?
  • このバランスの悪さを上手く狙ったのが二人の婚活詐欺女。
  • 視点を変えれば、この二人程度のレベルの女でも稼げるということ。一種のビジネスチャンスなのでは?
  • ビジネス用語でレッドオーシャンブルーオーシャンというのがある。血みどろの競争が繰り広げられる既存市場をレッドオーシャン、競争自体が無意味となる新規開拓市場をブルーオーシャンという*3
  • 年収1000万以上でイケメンで高学歴な男市場はレッドオーシャン。これからはブルーオーシャンの時代。

恋愛の経済学-2

  • そこで「モテない男市場」の豊かさについてプレゼンしたい(笑)。
  • 現在、35才以上の独身男性は1870万人いる。この年代の独身率は約43%。その世代における独身率というものは、結婚する人もいれば離婚する人もいるので、年が経ってもあまり変化しない。むしろ、長い目でみれば上昇傾向にあるので、そのうち50%に達するとみるのが自然。
  • 独身率が50%を越えるとどうなるか。「なんで結婚してるの?」と言われるようになる。VTRの普及率と一緒。
  • モテない男市場がどれくらいあるか、試算してみよう。まず、4割は貯蓄ゼロなので、1870万人に0.6をかける。貯蓄額の中央値は880万円。皆そんなに、貯金してるの!と驚くかもしれないが、60代以上がかなり貯め込んでいるのでこういう値になる。35才以上の中年男性の平均貯蓄額として1000万円をかける。すると、1870万人×0.6×1000万円=1億1120万円となる。これはデカい!
  • これを20〜24歳の就職希望女子の人口330万人で割ると、なんと34億円!もうこれはどんなに金に興味の無い女でも喰いつくね(笑)。

恋愛の経済学-3

  • すいません、間違いました。34億円ではなくて3400万円だそうです(笑)。
  • とにかく、彼女を作るというのは20世紀の幻想ではないか?と考る。どんな女性も子供の時は親の金で暮らすし、結婚したら専業主婦は旦那の金で暮らす。そんな女の子とタダでつきあうというのはフェアじゃない(笑)。
  • だからもう、金払えば良いじゃん!金で彼女を作れば良いじゃん!(笑)
  • TwitterMixiで、「誰でも良いからヤラせて!」と書き込んだとする。女なら10人くらい手を挙げる人がいるが、男だと誰もくない。良くて怪しい人が一人来くるくらい(笑)。
  • つまり、どう考えても男性より女性の市場価値の方が高い。その差額を金銭で埋めようという発想。

  • こういうことをいうと「セックスと恋愛を混ぜている!」と反論がくるかもしれないが、混ぜよう。どうせ同じ(笑)。
  • これからは「金目当てでOK!」と言える男になろう。それも、援助交際や売春ではなく、女の子が学校を出た後の、女の子の生活を支えられるような逃げ道や行き場の一つになろう。

恋愛の経済学-4

  • そもそも女性の市場価格とはどういう要素で決定されるのだろうか。
    • 年齢
    • 見た目
    • 提供サービス(家事やセックス)
    • ブランド
  • 女性は嫌だろうが、男はこういう視点でみている。例えば、「性格悪いけど若くてキレイ」とか、「歳いってるけど女子アナ」とか。
  • 対して、男性の市場価値はどうか。
    • 提供環境(一部屋、ソファ一つ、一軒屋等々)
    • 見た目
    • コミュニケーション・サービス(女の子の話相手になるということ。男のセックスやごはん作る能力に市場価値は無いだろう)
    • ブランド
  • 例:「すごいブサイクだけど、吉本で芸人やってるんだ!」

  • あくまで市場価値なので、金銭のやりとりの逆転現象もありえる。たとえば、女性が年とれば若い男性の方が市場価値が高くなるので、差額が発生する。「アタシの家で寝て良いわよ」、「しょうがないからヤラせてあげるわよ」となる。

恋愛の経済学-5

  • それでは、新しい男女関係はどうなるか。ナイト(騎士)とメイト(被保護者)の関係。サンデーやマガジンに載っているような、都合の良い寸止め漫画(笑)を想像して欲しい。女の子が転がりこんできて、まだ手をつけてない状態。
  • 具体的にどう定義されるのか?大きく三つに分けて考えてみた。

(ここはネタバレ等を考えて省略。気になる方はDVD化や地方講演を待って欲しい)

恋愛の経済学-6

  • 女性の社会進出は、基本的には良いことだと思う。しかし、世代、時代、土地、能力、運……そういったものは、常に変化する。だから常に上昇というのは難しい。時には女性の社会進出(というムーブメント)も一歩下がっても良いのでは?
  • 女性の年齢が上がっても、「ばあや」という生き方がある。夏目漱石の「坊ちゃん」みたいなもの。若い男の世話をしながら面倒をみる。セックスもあるかもしれない。全然ヤらせてくれない若い女より、自分のことを分かってくれる50〜60の女性の方が良いかも。熟女ブームだし(笑)。
  • (休憩後)先ほど30代の女性編集者に「3000万円じゃねえ」と言われた。楽屋で大激論。稼ぐ女からしてみれば、3300万円は安すぎるかもしれない。田舎から出て来て、職に困る女子を想定していた。
  • あくまで、議論を活性化させることが目的。恋愛の定義を広げたい。年収2000万円だったらどういう恋愛をするかより、メイドがいてばあやがいる寸止め漫画の方が面白い。女性進出問題が活性化される方が面白い。


(次回に続きます)