あのシンケンないきものはまだ我が家にいるのです、たぶん

 「シンケンジャー」が本当に面白い。
 人間としての裏側がきちんと垣間見えるキャラクター造形。上原正三が考えたスタンド能力みたいなのを使って精神的に追い詰めてくる敵。以上二点あたりが素直に考えた場合の面白さだと考えるのだが、やっぱり、いきなり手製の合体マニュアルを皆に配るブルーとか、ゲスト外人がシンケンブラウン自称とか、時に全力で馬鹿馬鹿しいことをしてくるのが本当に面白い。伊達に「火」とか「水」とか顔に大書きしてないよな。


 昨日はついに六人目の戦士シンケンゴールドが登場したのだが、モチーフはなんと寿司職人。白い携帯「スシチェンジャー」にネタならぬスシディスクをのせて変身し、秋刀魚じゃなかった愛刀「サカナマル」を逆手に持って、座頭市ばりに戦うのだ。顔に輝くのは「光」の一文字。そう、寿司→魚→青魚→光り物からの連想だ!アホか!
侍戦隊シンケンジャー 戦隊ヒーローシリーズ06 シンケンジャーゴールド
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侍戦隊シンケンジャー 変身携帯 スシチェンジャー
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侍戦隊シンケンジャー 斬撃勘定刀 サカナマル
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 でも、そんなアホを全力でやりきる東映が素敵すぎる。CGで表現される居合いも無茶苦茶カッコ良い。おまけに、敵をバッタバッタと薙ぎ倒す寿司職人の大活躍に( ゚д゚)ポカーンな旧シンケンジャー、という構図も最高だった、それまで比較的シリアスだっただけに。人間なのにモビルスーツをバリバリ倒しまくる東方不敗に口あんぐりのロンド・ベル隊、みたいなスパロボの一コマを思い出したよ。
 それにしても、寿司の戦士とは……。ほりのぶゆき吉田戦車の発想だ、などと思いきや、吉田戦車は「追加戦士は「男」でどうでしょう」なんて日記に書いていたのだな。本家がパロディを発想で追い越してどうすんだ!*1
週刊スピリッツ | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館


 さて、そんなシンケンジャーなのだが、今年三歳になるうちの息子も大ハマりだ。毎日毎日、そこら辺に落ちている棒切れを拾っては「シンケンマル!」、台布巾を丸めては「れっかだいざんとう、おおづつモード!」。確か去年はマンタンガンとかエンジンソウル、セット!とか叫んでいた記憶があるのだが、すんなり上書きされるものだなぁ。
 勿論、うちの息子だけじゃなく、保育園の友達連中の間でもシンケンジャーは大ヒットだ。昨年ゴーオン!ゴーオン!叫んでいたのは確か数人に過ぎなかったと思うのだが、この位の歳の子供は一年違うだけで大分違うのだな、理解力が。


 しかし、お手製シンケンマルで斬りあう我が子の姿にうら若きパパとママは心乱すようで、嫁によると、先週末行われた懇談会で「シンケンジャー」の話題が俎上に上がったのだという。いくら三歳児とはいえ、こんなにも特撮番組に夢中で大丈夫なの?チャンチャンバラバラやっていて暴力的な大人に育っちゃわないの?という具合だったらしい。
 だが、さすがプロは違うというかなんというか、保育園の先生は諭すように言ったという。


「大丈夫です。こういう番組に夢中になるのも、あと数年ですよ。小学生にでもなれば、興味も示さなくなりますよ」


 それを聞き、ちょっと疑問に思った嫁が一言。


「でも先生、うちの夫は三十年間見続けているんですけど……」


「工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工!!!」



 今朝も息子を保育園に送っていったのだが、先生の顔が心なしか半笑いだったことは、今更書くまでも無いだろう。

*1:でも、本当に光り物からの連想ならゴールドじゃなくてシルバーなんじゃなかろうか、というツッコミはとりあえず脇に置いておく