トンデモ本大賞2009

 「学会に行く」と宣言してトンデモ本大賞に行ってきたのだが、面白かったよ。

 まず、今年も増量された「と学会エクストラ」。お馴染み新田五郎のマンガネタやチンコ文房具ネタが面白かった。でも、明木茂夫教授の「近年の地理の教科書や地図帳で中国の地名・人名がカタカナ表記になっており、しかも不統一」というネタは、笑えるというよりもシビアな社会問題だと思った。「漢字は日本、韓国、ベトナムでも使用されていて、各国で発音は違えども表記が同一であることがアジアの絆ではないか」という結びは、最早お笑いでは無かった。流石だ。


 もう一つ。今年は唐沢俊一の弟子、というか編集スタッフの一人である大内明日香の著作「すべてのオタクは小説家になれる」がノミネートされるという、ある種スキャンダラスな事件があったのだな。

すべてのオタクは小説家になれる!
すべてのオタクは小説家になれる!大内明日香

おすすめ平均
stars買ったら損
stars心構えと意欲が沸きます
stars無価値
starsまたまた馬鹿な本が出た!

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 本人のブログで唐沢俊一とのトラブルが書かれたり、唐沢俊一の日記にそれらしき記述があったりと、ネットの一部で大いに盛り上がっていたのだ。
出版評論〜blog & Podcast版


 ただ、前日に仲直りしたらしく、パネラーとしての唐沢俊一のコメントが「いや、これはある意味ネタで……」というようなフォロー満点なものだったのが、野次馬として、ちょっと面白かった。
出版評論〜blog & Podcast版


 唐沢俊一の盗作騒動に関しては未だにスルーしている山本弘も、この本に関しては現役小説家としてスルーできなかったようで、他のノミネート作に比べてシビアなツッコミをしているように感じたな。
 ミクシィのレビューにも長文を書いていたりして、熱いことこの上ない。
http://mixi.jp/view_item.pl?id=1150513&reviewer_id=365376


 当の大内明日香がライターだけでは食えずマックでバイトしている(本人がブログで書いている)という時点で、この本を読んで小説家になれるかどうかの信頼性のほどが顕になっているという感じでもあるが。
 同じく小説家である桐生祐狩が「小説のネタをゲットするということと、実際にそれを小説にするという行為は全く違う」みたいなことを言ってたのが全てを物語っているというか。
や、桐生センセがと学会をネタにして書いた「物魂」はマジで傑作だと思います。
物魂―ものだま (ハルキ・ホラー文庫)
桐生 祐狩
4758431140


 余興として今年も坂本頼光のトンデモ活弁が披露されたのだが、相変わらず最高だった。この日の為に新作「サザザさん5」を用意したそうなのだが、「今日の14時50分に渋谷で完成しました」というのが凄い。これを観る為だけに会場に足を運んだとしても、全く損とは思えないな。
「サザザさん1」はyoutubeで観れるし、「4」は昨年のトンデモ本大賞で観たのだが、「2」と「3」も是非観たいなぁ。今年こそ単独ライブ行くぞ。