放射能と生きる

なんかテレビとTwitterを交互にみていると、何時間でも過ごせてしまう。
それにしても、こんな状態で仕事するってツラいわー。こんなにもネットやTVで「普通じゃないよ!」っていわれてるのに、普通に会社行って普通に仕事するツラさ。いかに自分の精神的コンディションがネットやTVに依存してるかを思い知らされる。


でも、実際に会社に行ってみると、電車運休で人員不足な中、皆一生懸命働いていて、意識がちょっとだけ変わってきた。
自分は自転車通勤なので通勤自体はラックラクなのだが、遠くから電車通勤してくる同期は早朝だけ運行してる電車に乗るために朝4時に起床したそうだ。帰りどうするのかと聞いたら「分かんないwww」だってよ。思わず後でウチに泊まれとメールしちゃったよ。ボランティアに行くよりも、普通に働く方が大事だな。


そんな中、ついに福島原発がエラいことになった。まさか政府の人間の口から「身体に影響を及ぼす可能性の放射線」なんて言葉が飛び出そうとは。


雨に塗れるのが嫌なので、早めに仕事を済ませて帰ろうとすると、上司から「帰ったらすぐ風呂場に行って、着てるものをよーく洗うんだよ」などと言われた。でも、帰宅途中にマラソンしてる人なんかいるわけで、今の埼玉県のレベルでそれはちょっとやりすぎなんじゃないかと……ただ、明日以降は分からないが。


自分の住むダサイタマでは1.2マイクロシーベルトを検出したなんてニュースも報じられた。明日から毎朝、天気予報の後に「今日の埼玉県の空間放射線量は○○マイクロシーベルト、健康に影響のないレベルです」なんてやるのでだろうか。そんなのSF小説の中だけの出来事だと思ってたよ。さすが21世紀!


自分は生物系の仕事をしていて、昨年、放射性同位体を標識に使った実験をしていたのだが、ちょっとゴミの棄て方を間違っただけで放射線廃棄物処理業者からこっぴどく怒られたものだ。「これを施設外部に出したら大変なことになるんですよ!」とええ年こいたオトナが別のオトナから何分も説教ですよ。至極もっともなことなので、頭を垂れて反省していた。是非、あの人に東京電力のボソボソ喋る副社長を説教して欲しい、なんて妄想もしてしまう。


そういや、Twitterでみかけたのだが、2ちゃんねる福島原発の作業員らしき人物の書き込みがあったという。

90人くらい交代で10秒ずつ修理してるか無理だ
塩がこびりついて
もうみんな規定量以上被ばくしてる
人手足りないんだ

必死チェッカーもどき ニュース速報+ > 2011年03月15日 > ZBmJqNxuO

作業中47万マイクロ
だからな…
みんな被ばく
自衛隊レーガン撤退

勿論、ネタの可能性が大きいのだが、いかにも2ちゃんねらーな作業員っぽいなぁとリアルに感じてしまう自分が怖い。放射線量の高い場所では一人数分ずつ作業するってのは有名な話だ。


会社から帰宅後もずっとテレビを観続けているわけなのだが、どんどんアンコントローラブルな状況になっていると感じるのは自分だけだろうか。「地震」と「津波」のコンボかと思いきや、東電の危機対処能力の不足という「人災」もコンボに追加されてるような気がする。
国と東電に事態を収拾する力が無いのなら、さっさとIAEAや米軍といった更なる専門家を受け入れるべきなんじゃなかろうか。


正直、逃げられる場所があるのなら逃げたいが、仕事も家もダサイタマな自分にはどうしようもない。日本国内ならどこも危険度は大差ないという気もする。
これはもう、自分たち日本人は「放射能と共に生きる」覚悟を決めた方が良いのかもしれない。
毎朝、空間放射線量の予報を天気予報のように聞き、帰宅したらシャワーで花粉を洗い流すように放射性物質を除染し、それなりの放射性物質を体内に入れることを許容し、それなりの発ガンリスクを受け入れる社会。
これを大袈裟とは思わない。少なくとも、福島第一原発の半径20〜30キロは、現在そういう社会になっているに違いないのだから。