トンデモ本大賞2010

今年もトンデモ本大賞に行って来た。


まず、例年それなりに楽しい「と学会エクストラ」だが、今年は光デパート氏がやられた「チキンラーメン真の発明者」が面白かった。
保存食としての油で揚げた麺は戦前から「伊麺」として台湾に存在したこと、日清食品から送られた資料によると、世界初のインスタントラーメンの発明者は安藤百福ではなかったこと等々、衝撃の事実ばかりであった。
十数分の発表では収まりきらず、調査も続行中とのことで、同人誌や来年の発表が楽しみだ。


また、今回は昨年亡くなった志水一夫の追悼コーナーもあった。
片づけを手伝ったのか、皆神龍太郎唐沢俊一が故人の住まいを訪れた際のビデオが流されたのであるが、志水邸は至る所本の山・山・山! ガレージから階段から食堂まで本が山積みになっており、奥の部屋に向かおうにも本の山に阻まれて進めないという凄まじさ。
明治大学に寄贈する為にカウントしたら4万冊を越えていたそうで、唐沢俊一が奥に進むのを諦めてケータイで記念写真を撮るさまに
「あの唐沢俊一が本をみて途方にくれるシーンなんて、滅多に見られるもんじゃないですよ!」
とコメントしていたのが大爆笑だった。いろんな意味で。



で、毎年最大のお楽しみである余興のコーナーなのだが、昨年、一昨年とネタ『サザザさん』を披露した坂本頼光は残念ながら参加せず。
しかし、今回はなんと我らが伊勢田勝行監督作品が上映された。
ホストはオタクアミーゴスと同じく眠田直が勤めていたのだが、「伊勢田勝行研究家としては日本で二番目です。ちなみに一番目は酒徳ごうわくさんです」という紹介の言葉が奮っていたよ。


約400人ほどの観客の前で『恋愛戦士ラブコメッサー』やら『聖ジェルノン』やらが紹介されたのだが、『サザザさん』ではあれほど爆笑していた観客が一様に口あんぐり。「伊勢田大博覧会」に参加した自分としては、なんだか身内が紹介されているような気分だったので、ちと複雑だった。
私見として、伊勢田監督作品のクオリティの低さを哂うのはまだまだ踏み込みが足りないんじゃないかと思う。伊勢田作品を紹介するのであれば、驚愕のストーリー展開をみせる『きらら』とか『1/2アミューズ』とかいった最近の作品を上映すれば良いのになぁ、なんて思ったりもした。


でも、監督がアルミホイルがテカテカ光る聖ジェルノンのコスプレで登場して、大観衆の面前で裏声で生歌披露したのは、やはり楽しかった。これで数人でもファンが増えて、コミケ前に「伊勢田大博覧会5」が開催されないかなー。


ちなみに今年のトンデモ本大賞ノミネート作はどれも小粒。唯一、かめはめ波で水やネコの餌をおいしくしたり、マイナスエネルギーを宇宙に棄てたりする『ネコの心がわかる本』がこれまでに無かったタイプかと思いきや、大賞をとれなかったのが意外であった。
ねこのココロがわかる本 (ぶんか社カラー文庫)
小川 晃代 佐藤貴紀
4821152894


ただ、大賞の投票はノミネート作だけでなく、自由投票も可能なのだが、「民主党マニフェスト」と書いた人がいたのには苦笑した。今思い返せば、自分も昨年はトンデモマニフェストな政党に投票しちゃったなー。