最近の映画感想

ちょっと忙しかったので更新をサボっていたのだが、いつの間にか一ヶ月くらい経ってしまった……
イカンわー。こんなのを書いていたせいもあるのだが、心を入れ替えて、せめて週一くらいの頻度で更新していきたいところだ。


その間、気になる映画はしっかりとチェックし、ちょくちょく感想をつぶやいたりしていたのだが、せっかくなのでエントリとしてまとめておくことでお茶を濁そうかと思う。

  • 『ドライヴ』

変態監督が撮る童貞物語だった。シェーンは童貞だったんだ!みたいな。
あの凝りに凝ったロマンチックなエレベーターのシーンの後に、あんなグロいシーンを入れるのが、童貞の証だと思う。
また、シーンをまたぐ音楽の使い方といい、台詞に頼らない演出といい、たえず緊張感を強いる編集といい、きちんと色彩設計された夜景や室内シーン(ここもジョニートゥみたい)といい、レフン監督は絶対に変態だと思う。おれはエンジン修理するシーンに泣けてきたよ。まともなカーアクションのシーンが一箇所だけなのは予想の範囲内だったけど、あそこで影を使うなんて……でも、観てる最中は全然自然なんだよな。
あと、タランティーノというよりジョニー・トゥだった。

普通に面白かったのだが、でも、何十年も前の名作をみているような気分だった。ピクサー映画は古典を参照することが多いのだが、実写映画でそれをやるとこうなるのかも。
それにしても、『ナルニア』や『ハリポタ』は満員なのに、これに客が入らないって厳しいなぁ。やっぱり「現在」を脚本に入れるか、分かりやすいオリジナリティが無いといけないのかも。でも、「火星シリーズ」こそが『アバター』やらなんやらのオリジナルなんだけどなぁ。
前半でモニュメントバレーを背景に移しつつ、中盤でしっかり火星のモニュメントバレー的なものをみせるとか、戦闘の最中に妻を埋めた思い出がフラッシュバックするとか、かなり良い演出をやってるのに。これが通じないのかー。

  • 『サイタマノラッパー3』

ジョン・カーター』が可哀想になるくらい、めちゃんこ面白かった。おれはオタクなので怪獣も宇宙人も出ない映画の評価は一段落ちるのだけれども、やっぱ時代の雰囲気や弱者の気持ちというものをきちんと反映し、観客の心を抉るような映画は強い。

  • 『スーパーヒーロー大戦』

事情を知らない弱者が苦しむところがちゃんと戦争してた。『X-MEN:ファースト』みたいなゲイゲイしさも良かった。ただ、お祭り映画としては『レッツゴー』のささきいさおや『VSギャバン』の大葉健二みたいなキャスティングが欲しかったところ。やっぱ、このお祭り映画に足りないのはメタフィクション成分だよなぁ。「ストロンガーの枠を……」みたいなのを、もっとやれば良かったのに。

  • 『捜査官X』

ミステリーからアクションへ。美しい映像とトンデモ展開がヒストリー・オブ・バイオレンスするエクストリームな映画だった。ジミー・ウォングにアレで対抗するドニー師父が最高すぎる。

『ロサンゼルス決戦』そうだったけど、この監督はモブの一般市民や一般兵が地味に死んでいくさまをきっちり描くよね。勿論CG製なのだけれど、360以降の洋ゲーFPS的という意味でのゲーム的描写という印象を受けた。今後も注目したい。

英国のおっさん達が恋に仕事にうに大忙しな物語を終始映像で説明する傑作。伊藤計劃が生きてたら絶賛してただろうな。ジョンブルの皮肉をきちんと日本語に置き換える字幕も良し。なっちゃんじゃ無理だったろうなぁ。
それにしても本作といい、『Jエドガー』といい、諜報ってのは思わずゲイやバイに転んでしまうストレスフルな仕事なのかね。『ドラゴン・タトゥーの女』や『ミュンヘン』も同様なのだけれど、現代におけるスパイものとは、組織の非常さに疲弊し、孤独で寂しい魂の持ち主がソウルメイトに出会う恋愛ものとして描写されるものなのかも。
「僕の大好きなスーパー英国人男優大戦」みたいな趣きもあった。多分、続編じゃビル・ナイジェフリー・ラッシュは確実に出るね!ジュード・ロウはおっさん成分が足りないから出ないだろうけど、東欧圏スパイとしてルトガー・ハウアークリストフ・ヴァルツが出たら嬉しい。



あと、『ファミリー・ツリー』も面白かったのだけれど、こっちはちゃんと感想書くぞ!