その11 イルカとセクハラ


形霧:あっ、古林くん!!超久しぶり!!
古林:1年以上ぶりか。本当にスゲェ久しぶりだな。
形霧:なんでも、ネタはあったんだけど忙しくて更新できなかったらしいよ。
古林:本当に忙しいのかよ?単なる「忙しさ自慢」なんじゃねぇの?
形霧:今回ばかりは本当らしいよ。「会社に12時間いる!」んだって。
古林:長時間働いても成果がでないんじゃ、単に要領悪い男だよな。残業代ドロボーだよ。
形霧:……ヒ、ヒドイ。あ、でも残業代も出てないらしいよ。
古林:上場している会社が、それもどうかと思うがなー。



形霧:それはそうと、古林くん!最近なにか悩みはないかい?
古林:いきなり話が変わるな。そんないつもいつも悩みなんかねーよ!
形霧:まぁ、そう言わないでおくれよ。このコーナーは古林君の悩みがなければはじまらないんだからさ!
古林:シーッ!シーッ!そんないきなりちゃぶ台をひっくり返すようなこと言うなよ!
形霧:もう11回目だから良いかと思って。
古林:良くねーよ!客が白けるだろ!!
形霧:じゃもう一度聞くけど、なんか悩みないかい?。
古林:(……コイツ、相変わらずムカツクなー。)



古林:……悩み、悩み、悩み。……そうねー。
形霧:どう?なんかないー?
古林:……スゲェショボイことくらいしかねーなー。
形霧:この際それでもいーじゃん。聞かせて、聞かせて!
古林:あのよ、実はもうすぐうちの部署に新人研修を終えた新人が入ってくるのよ。
形霧:あ、そうなの。まぁ、春だからねー。でも、それがどうしたの?
古林:それがな、その新入社員はどうやら女性らしいのよ。
形霧:え?それがなぜ悩みになるの?
古林:オマエも知ってると思うけど、うちの部署は男ばっかりなわけよ。そんなところに女が一人、いや一匹入ってくると、何かとやりにくいことも多くなるのかなー、などと思ってな。
形霧:そうねー。そうかもねー。



形霧:確かに、何かと問題になることが起こるかもね。
古林:そうだろ。オマエもそう思うだろ。
形霧:例えば、「夕方くらいになると職場がケモノ臭いんです!」って人事に投書されちゃうとか。
古林:なんだよそれ!たしかにケモノだけど、そんなに臭くねーぞ!
形霧:いやいやいや。男ばっかりだと知らず知らずのうちに、そこかしこが汗臭くなるらしいよ。高校の頃、野球部とかサッカー部とか、男子の部室には絶対入らない女子とかいたもん。
古林:男ばかりの職場の臭いは体育会系男子の部室のそれと同じだとでも言いたいのか!
形霧:剣道の篭手とか絶対に触らない女子とかいたもん。
古林:女子の篭手も臭くなるんだぞ!!
形霧:女子の間で「オナニーした男子と同じプールに入ると妊娠する」とかいう噂がたったもん。
古林:たたねーよ!!つーか、精子はそこまで泳げねーよ!!!



形霧:あと、そうね……。知らず知らずのうちにセクハラしてしまう可能性もあるね。
古林:そこまで女に飢えてねーよ。女とはいえ、誰も同僚のケツ触ったり、胸揉んだりしねーって。
形霧:いやいやいやいや、古林くん。最近はノータッチでも言葉だけでセクハラとみなされるらしいよ。
古林:……マ、マジかよ?
形霧:例えば古林君、確かキミはオナニー話が大好きじゃなかったかい?
古林:そ、そうだけど。え、何?もしかしてそれがセクハラになるのか?
形霧:やっぱり。古林君、それは見事なセクハラです!
古林:ホントかよ。ホントにセクハラになるのかよ?
形霧:ホントです。大なりです。



古林:じゃ、じゃ待てよ。例えばさ、学生の頃テスト前に夜遅くまで勉強してたんだけどよ、やっと一夜漬けが終わって寝る前に高ぶった神経を沈めようとオナニーしたら足がつったんだがよ、そんな面白エピソードもセクハラとみなされるのか?
形霧:足つったの?どんなにアクロバティックなオナニーしてんの?
古林:うるせーな、夜通し勉強だったから疲れてたんだよ。で、どうなんだ?セクハラになるのか?
形霧:なるね。それも立派なセクハラです。
古林:マジかよ!つーか、その話したらすげー盛り上がるのに。
形霧:盛り上がるのは男だけでーす。
古林:じゃ、高校生の頃、オナニーの時に遠くまで飛ばすのが楽しくって一人で「精子飛ばし大会」を開催してたら、思わぬ所まで飛んで、そこだけ掃除し忘れちまって、翌日母ちゃんに大目玉喰らった、……ってエピソードは?
形霧:ウププププププ(笑い声)。それもセクハラでーす。
古林:じゃ、中学生の頃、夜中にオナニーしてたらどうも人の気配がしたんだけどよ、構わずにそのまま3発ほど抜いたら、翌日母ちゃんに「知り合いがやってる美容院の女の子紹介しょうか?」って言われてブッタまげた、……ってエピソードは?
形霧:ププププププ。それもセクハラでーす。
古林:じゃ、少学生の頃、オナニー覚えたてでサルみたいに抜きまくっていたら母ちゃんに「おチンコは皮の裏側まで洗わなきゃ駄目よ」って言われて同じくブッタまげた、…ってエピソードは?
形霧:ウヒョヒョヒョヒョヒョヒョ!そ、それもセクハラです!



形霧:ていうかね、最近の世の中は「オナニー」って単語を女性の前で発するだけで、セクハラとみなされるんだよ。
古林:いつの間に世の中はそんな風になっちまったんだ……。
形霧:他にも「童貞」「セックス」「スペルマ」「巨乳」「クリトリス」「レイプ」「モリマン」といった極端に性的な単語も、古林君は普通に使ってるけど、セクハラと見なされるから気をつけてね。
古林:マ、マジかよ!!
形霧:(やっぱり、コイツの方が僕より変態だな。)



古林:それにしても「童貞」まで駄目なのか。それじゃオマエから教えて貰ったの童貞関連のお笑いネタも今後使用禁止だな。
形霧:そうだね、使えないね。
古林:オマエ、よく「僕は童貞じゃない人を逆に見下してるから!」って言うじゃん?あれ、駄目だな。
形霧:そうだね、駄目だね。
古林:あとオマエ、「童貞は告白する時にちょっと精子が出るらしいよ」って言ってただろ?あれも駄目だな。
形霧:そうだね、駄目だね。
古林:「童貞は申告するとディズニーランドに子供料金で入れるらしいよ」ってのも駄目だな。
形霧:自信のネタだったのになー。
古林:「タイタニック号が沈没した時、女・子供・童貞から先に救命ボートに乗れたらしいよ」ってのも確実に駄目だな。
形霧:くっそー、残念だー!



形霧:まぁそういう訳で、新人が入ったら古林君も言葉遣いに注意した方が良いよ。
古林:なんだか納得できないなぁ。
形霧:でも、セクハラで訴えられることを考えたら言葉遣いを改めるくらいなんでもないでしょ。
古林:うーん、まぁそう考えて、自分なりに注意してみるよ。
形霧:一応言っておくけど、「胸が大きくなったね」とか「最近痩せたね」とか「色気が出て来たね」とかいった外見に関する褒め言葉もセクハラになるから気をつけてね。
古林:……マ、マ、マ、マジかよ!!
形霧:(やっぱり、コイツの方が僕より常識知らずだな。)



古林:まったく、世の中の変わりようにはビックリだぜ。いつの間にこんな風になっちまったんだか…。オレみたいな男にはついていけねーなー。
イルカのお姉さん:あっ、古林君。おはよう。
古林:ああ、おはよう。あれ?お姉さん、ウェットスーツ新しくしたんだ?
イルカのお姉さん:そうなの。おニューなの。カッチョイイでしょ。
古林:そうだね。格好良いね。
古林:(……でも、なんだかサイズが小さすぎてお姉さんがモリマン気味に見えちゃうな。あ、でも「モリマン」はセクハラ・ワードか。なんとか上手い言い方を考えなきゃ。)

古林:お、お姉さん。
イルカのお姉さん:なーに?古林君。
古林:ウェットスーツのサイズが小さすぎて、恥丘のふくらみが大きめな女性であること即座に解ってしまうよ。それどころか小陰唇と大陰唇も大きい女性だということが一瞥にして判断できるよ。古林は是非とも再考を薦めます!
イルカのお姉さん:(……コイツ、相変わらずサイテーだわ。)