その8 イルカと男と女


形霧:あっ、古林君!
古林:お、形霧じゃねぇか。久しぶりだな。
形霧:本当に久しぶりだね。約2年ぶりくらいかな?
古林:そうだな、長かったな。結構人気者の俺達を登場させないなんて、まったく局長はなにやってたんだ!
形霧:なんか「イルカーズを登場させると3日消える」とか「もうキャラを忘れている」とか良く判らないことを言っていたらしいよ。
古林:なんだよそれ!!
形霧:そういえば、さっきも「微妙にキャラが違うかもしれないけど許してくれ」とか言ってたなぁ。
古林:しっかりしろー!!!



形霧:そうそうそうそう!そういや古林君!古林君!!
古林:な、なんだよ。いきなりハイテンションで。
形霧:古林君、キミ結婚したって噂を聞いたんだけど本当かい?
古林:あ、ああ、したけど。
形霧:そっかー!そっかー!おめでとう!おめでとう!これでようやくただれまくった変態独身生活ともサヨナラだね!
古林:変態は余計だ!
形霧:いやー、毎日が楽しくて楽しくてしょうがないでしょう?
古林:そんなこともねーぞー。



形霧:やっぱなー、違う人間が一つ屋根の下に住むってのは難しいぞ。
古林:なんだい、今更。古林君は結婚前も同棲しまくっていたじゃないか?
形霧:やっぱな、同棲と結婚は違うわけよ。同棲は嫌になったら別れれば良いけど、結婚はそうもいかないんだよな。
古林:そんなに違うもんなの?
形霧:四六時中いっしょにいると、お互いの違う点がハッキリ判るわけよ。すげー細かいところだけど、でもそれでケンカとかしちゃうんだよな。
古林:あー。それは判らないでもないな。
形霧:そうだろ、そうだろ。やっぱさー、もう本当にくだらないことが原因なんだけど、それでケンカするのが毎日続いちゃううと、ちょっとなんだよな。



形霧:ま、男性と女性ってのは精神的にかなり違うよね。
古林:そうだな。それもケンカの原因としてあるかもな。
形霧:まずさ、奴らは…ごめんね言い換えるよ、女性は、「ウルトラマンが正体を明かすシーン」で感動しないよね。
古林:えっ!それは話が違うような……。
形霧:まあまあ。僕の話を聞いてくれたまえよ。男性と女性の考え方が違う一つの例としての話だよ。
古林:……そ、そうなのか?



形霧:まず古林君、キミに質問だ!
古林:あ?改まってなんだよ?
形霧:君はウルトラマンが正体を明かすシーンで感動するかい?
古林:うーん、いきなりそんなこと言われてもなぁ。まず、初代ウルトラマンでハヤタが正体を明かすシーンなんて無いしなぁ。
形霧:お、古林くんキミもなかなかのヲタクだねぇ。
古林:ほっとけ!オマエが言い出したんじゃないか!!
形霧:それじゃ、質問を訂正しよう。えーと、そうだな。例えばウルトラセブン最終回で、ダンがアンヌに正体を明かすシーンで感動するかい?
古林:当たり前じゃないか。あれは万人が認める、日本特撮界の歴史に残る名シーンだよな。
形霧:でもね、でもね、でもね。あのシーンを見ても女性は感動しないらしいんだなー。
古林: え、本当か?


形霧:「ここで正体明かす必要ないじゃん!」とか言っちゃうらしいんだよ。
古林:おいおい、本当かよ!
形霧:「それどころか、変身しなきゃいいじゃん」とか言っちゃうらしいんだよ。
古林:マジかよ!確かにあの最終回で、「これ以上変身するともう地球にいられないぞ!」って上司に言われるくらいダンは疲労困憊な状態だけどさ、そこで敢えて変身することで話も盛り上がるし、最終回としての落としどころにもなるわけじゃん!
形霧:でも、「タイタニック」とか「アルマゲドン」とか見ると泣くんだよ!
古林:あー、そう言われると確かにワケ判らないなあ。
形霧:「これで泣かないなんてヒドーイ!」とか言っちゃうんだよ!
古林:あー、確かにそういう女っているよな……。


形霧:まずねー、奴らはウルトラマンを小馬鹿にしてるところがあるね。
古林:そ、そうだな。
形霧:ウルトラマンどころか仮面ライダー宇宙刑事、それどころか特撮全体を馬鹿にしてると思えるフシがあるね。
古林:ウーン、確かにそうだな。
形霧:パっと見の出来の良さに騙されるな!と僕は言いたい!!
古林:おいおい、なに興奮してるんだよ。
形霧:映画会社のプロモーションに騙されるなと僕は言いたい!!
古林:だから、なに興奮してるんだって!
形霧:ぴあやキネマ旬報やおすぎの意見ではなく、自分の意見を大事にしろと僕は声を大にして言いたい!!
古林:俺が言いたいのはそんなことじゃないぞ!


形霧:ハァハァハァハァ。こないだの「キルビルvol. 1」だってそうさ!
古林:お、今度は特撮じゃないんだな。
形霧:なにが「おしゃれで格好良い」だ!なにが「タランティーノはいつもセンスが良い」だ!!
古林:確かに一般的な若いネェちゃんの感想はそんなところだな。
形霧:おまいらはあそこで大葉健二が出てくることの重要性を解っているのかよ!!!!
古林:なんだよ、それ!
形霧:確かにタランティーノは「影の軍団」繋がりであのシーンに大葉健二を出しただけなのかもしれないけどね、ボク達にとっちゃデンジブルーやギャバンが出演したも同じなんだよ!!!
古林:その「ボク達」の中に俺は決して入ってないからな!!つーか、「影の軍団」も普通は思い浮かばねぇよ!!!


形霧:ハァハァハァハァ、ハァハァハァハァ!
古林:ま、まぁ、落ち着けって。
形霧:こないだ「さくホビ」に行った時だってそうさ!
古林:ああ、新宿東口の「さくらやホビー館」ね。ハイハイ、解ってるぞ。
形霧:頭の悪そうなネェちゃんがこれまた頭の悪そうなホストの兄ちゃんを連れ立って来店してたのさ
古林:……オマエの憎しみが溢れた表現だな。
形霧:この場に不似合いな客だなーと思って見てたら、1/100フリーダム・ガンダムの箱を手にとってなんて言ったと思う?
古林:な、なんだって(聞くのが怖いな)?
形霧:「男の人ってこういうの好きだよね♪」だってよ!!それで男の全てを解ったつもりかー!!!!!
古林:そ、そこまで興奮することないんじゃないか?
形霧:ガンダム・フリーダムとガンダム・ダブルエックスの区別もつかないクセに、解ったような口をきくんじゃないよ!!
古林:その区別は普通の男にもつかないと思うぞ。
形霧:せめてその台詞はHGジ・オかMGズゴックの箱を手にとってから言え!!
古林:……オマエがガンダムSEED嫌いなだけなんじゃないのか?

形霧:ハァハァハァハァ!ハァハァハァハァ!ハァハァハァハァ!
古林:本当に、とりあえず落ち着けって。
形霧:全く最近の女ときたらブツブツブツ……。奴らときたらブツブツブツ……。
古林:コイツ、ちょっと見ない間に性格変わったか?


ガチャ

菅原:ア、古林サンニ形霧サンジャナイデスカ!オヒサシブリデスー!!
古林:あっ、菅原じゃねぇか。これまた久しぶりだな。
菅原:ソウダー、形霧サン形霧サン?「仮面らいだーぶれいど」ッテ知ッテマス?アレ面白イデスヨネー。
形霧:あ゛?何だって?
菅原:イヤー、最近ノ「仮面らいだー」ハチャントシタ役者ガ出テクルンデ、見テイテ恥ズカシクナイデスヨネー。
形霧:なに?今オマエその口で何つった??
古林:バ、バカ!今、形霧にそんな話しちゃ駄目だ!
菅原:ヤー、昔ノ特撮番組ナンテ、幼稚デカッコ悪クテ見テイラレナイッスヨー!アンナノ見テチャ女ニモテナイッスヨー!
形霧:ドガーーーーー!!!!!