最近の映画感想2

なんか忙しくて真面目にエントリを書く暇が無いのだが、『プロメテウス』も『アベンジャーズ』ももうすぐ公開なのだな。
せっかくなので、ツイートをまとめてお茶を濁そうかなと思う。

  • 『サニー 永遠の仲間たち』

過去のダサいカラフルさと、それに比較するしょっぱい現在をリアル『劇画オバQ』みたくセンス良く描いた傑作。韓国映画特有のエクストリームさとテンポの良い演出があいまって、現時点での今年度オレランキング一位。
女四人でベッドに寝っ転がってバナナ弄るシーンとか、皆でJKに飛び蹴りかますシーンとか、ほとんど男の友情だった。韓国における女性の立ち位置あっての話というのがまた良い。あとシンナー少女が大島優子に似てた。

冒頭の雨ニモマケズの引用といい、銀河ステーションといい、「おれの考えたスーパー宮沢賢治大戦」という感じ。ネリの改変は賢治にとっての「妹」を考察した結果なのだろう。
現実シーンと夢のシーンが交互に来る構成となっているのだが、やっぱり白眉は後者、生と死の境界線のシーンだろう。あれでキャラの目つきがもっと悪くて汗でも書いていれば、ほとんどねこぢるだ。いや、ねこぢるyかな。

毎週テレビ放送を観ている子供たちへのためのお祭り映画としては満点以上なのだが、一本の映画としては赤点という感じ。登場人物全員に見せ場を作りたいのは分かるのだが、そのせいで主人公の行動原理や動機や成長が全然描けていないのが辛かった。多分、製作陣がベースにしたであろう『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』はそこが上手くいっていただけに残念。監督は同じ坂本浩一で、以前と同じことがやりたくないってのは分かるのだけれど。
また、坂本監督は時間も予算も限られた東映特撮映画におけるアクション演出が大層上手いのだけれど、アクションに入る前の「溜め」の演出があんまり得意でないのかもしれない。具体的には編集のテンポというか緩急が足りなくて、本作でいえば、『アルマゲドン』みたく宇宙船に乗る前に皆で横に並んでスローモーションで歩くシーンはもっと長くて良いし、宇宙鉄人や大鉄人が初めて出てくるシーンはもっとケレン味が欲しい。
本作も元気玉というか「みんなの力」で最後のピンチを乗り越えるのだが、「みんな」一人一人をきっちり描きこんでいたのは興味深かった。漠然とした「みんな」は信用できないけど、一人一人の顔がみえる「みんな」は信用できる、みたいな感じか。このためにテレビシリーズを使うというのもお祭り映画としては上手い。
あと、原幹恵は、「おまえらこんなの好きなんだろ?」と言外に言われてるような感じがイヤーンだったが、まぁ自分のような大きなおともだちはメインの客じゃないので、そういう嫌がらせをされても仕方がないよな!

自分は平成ガメラの中でも『2』に度肝を抜かれたクチなのだが、その期待感で『3』を観たら「確かに特撮の出来は良いし前田愛は可愛いけど、ストーリーの辻褄があってないし何よりおれの観たかったガメラじゃない」と感じた気分に似てる。ちなみにアン・ハサウェイ前田愛に相当する。
まぁ、どうやってアメリカに帰ってきたんだとか、なんでベインの部下はマシンガンを持ってるのに警官の大群に向かって撃たないんだとか、そういう細かい辻褄は自分としてはどうでも良い。多分、ノーランがやりたいのは一見リアルにみえる世界での寓話なのだと思う。『ダークナイト』の最後、市民と悪人が乗る二隻の船というのも寓話っぽかったし。
やっぱり、ストーリーが時代や状況を反映していないのがちょっと。このプロットなら当然オキュパイ・ウォールストリートに絡めて、ベインに心酔する一般市民とか、やっぱり「正義」を求めてバットマンに協力する市民を描くべきなのに全然そうなってない。悪人と警官とスーパーヒーローとスーパーヴィランしかいない。『ダークナイト』の続編を期待したら『ビギンズ』の続編でガッカリという感じ。

いくら馬鹿映画とはいえ、悪役の行動まで馬鹿だと覚める。エロも物量も面白さもスケールダウンという感じ。デビッド・ハッセルホフだけは良かった。監督が『ザ・フィースト』の人だと聞いて、ちょっと納得した。

ピクサー版『母がしんどい』かと思ったのだが、もっと上品でストレートな映画だった。そこがつまらない部分でもある。
女性監督と聞いたので期待していたのだが、同じようなテーマの『ラプンツェル』の方が

おおおお面白かった!
確かにプロパガンダ映画だったのだけれど、これがプロパガンダなら、コール・オブ・デューティもプロパガンダ・ゲームなんじゃなかろうか。