2014観た映画ベスト15

あけましておめでとうございます。
昨年はニコ生やらリアル仕事やらにかまけていたせいで、例年以上にブログを更新できなかったのですが、せっかくなので2014年観た映画ベスト10……というか、面白かった映画15本を書いておこうかと思います。10本選ぼうと思ったのですが、選びきれなかったんですね。
一応順位をつけてますが、5位〜15位くらいはほぼ順不同です。


1.『ザ・レイド GOKUDO』
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シラットによるアクションシーンだけでも客が入るにも関わらず、ノワール+潜入捜査なお話にも力を入れてしまった『ザ・レイド』の続編です。人によってはこのお話面での充実を無駄と感じるかもしれないですが、自分は最高に楽しかったです。
詳しくは↓参照。
ジャカルタに降る雪と火:『ザ・タイガーキッド 〜旅立ちの鉄拳〜』から『ザ・レイド GOKUDO』まで - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


2.『リアリティのダンス』(と『ホドロフスキーのDUNE』)
リアリティのダンス
アレハンドロ・ホドロフスキー 青木健史
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Jodorowskys Dune [Blu-ray] [Import]
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ホドロフスキーの自伝の映画化かと思いきや、母親が歌で会話したり、お父さんがエル・トポだったり。フリークスがガンガン出てきたりと、途中から完全にいつもの感じになる、ホドロフスキー創作人生の総括のような映画です。特に「シコろうぜ」と声をかけられ、皆でオナニーするシーンはホドロフスキーの何たるかが集約されたシーンではないでしょうか。
また、『ホドロフスキーのDUNE』は、ホドロフスキー・ファンにとって納得の一本でありつつ、ホド初心者にとっての入口としても機能し、更に観ているとなんだか元気がもりもり沸いてくる奇跡のドキュメンタリーです。
詳しくは↓参照。

時間があったらブログでもなにかしら書きたいところです。


3.『劇場版 テレクラキャノンボール2013』
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30〜40代のおっさん達の「青春」が描かれた、ドキュンメンタリーの傑作。本作と『DOCUMENTARY of AKB48』を観れば、今のニッポンはだいたいわかると断言したいですね。
詳しくは↓参照。
英雄の誕生:『劇場版テレクラキャノンボール2013』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


4.『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』
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面白いけど映画じゃないよなーと思いながら観ていたら、作り手が用意したメタフィクションを覆す劇団ひとりのアドリブに戦慄する大傑作です。もしかして、これが映画館で観る理由なのかもしれないですね。最後にかかる森山直太朗の主題歌もテーマをバッチリと表しています。
こちらも、時間があったらブログでもなにかしら書きたいところです。


5.『ジャージー・ボーイズ
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最近のイーストウッドは明らかに「死人の視点」で映画を撮っていると思うのですが、舞台ならではの「第四の壁」を破るシーンが、「死ぬ間際の老人が若かりし頃を振り返る目線」になっているところが最高でした。まるでインド映画みたいなラストも、結局現世では分かり合えなかった人間たちが天国で楽しくやっているようなシーンにも見えてきたりします。ソフトを買って、死ぬまでリピートしたい一作です。


6.『LEGO(R) ムービー
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レゴが映画化されると聞き、いつものお安いCGムービーかと思いきや、「クリエイションとはなにか?」というテーマにまで迫った一本。
子供が観て楽しいのと同時に、大人が観ると戦慄してしまう傑作です。アカデミー賞を獲っても自分は驚きません。
詳しくは↓参照。
人生で大切なことはすべてレゴで学んだ:『LEGOムービー』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


7.『Seventh Code セブンス・コード』
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前田敦子
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前田敦子の「何もしない演技」と黒沢清の何でもあり精神が出会った奇跡の一本。
黒沢清はおそらく手癖だけで撮ってるのですが、それがベテランが作った自主映画みたいな面白さに繋がっています。『勝手にしやがれマエアツ計画』と呼びたいところです。


8.『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜
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レッドフォードはイーストウッドと並び「アメリカ映画」を象徴する俳優ですが、『大いなる陰謀』といい『ランナウェイ/逃亡者』といい、自身の監督・出演作では象徴としての自分をそれほど活かせない作品しか作れませんでした、
それが、若手監督による本作では、なんと上手く活かされていることか! 延々と一人芝居・台詞ほぼ無しで「我らの男」を演じるレッドフォードは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の彼以上にアメリカのある部分を体現しています。『ライフ・オブ・パイ』とも『ゼロ・グラビティ』とも異なる漂流シーンのディテールも楽しい一作です。


9.『ダバング 大胆不敵』
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昔ながらのインド映画を今のボリウッド技術で再現したALWAYSな映画かと思いきや、決してそればかりではありません。
思った以上に汚職警官な主人公が「ハイカーストで金持ちな俺と結婚できるなんて幸せだぜ」と嫁候補の親を口説くのですが、よく考えたら「カースト」をはっきりと台詞で言うインド映画なんて初めて観ました。
主人公が「ひっぱたくぞ」と心にもないことを言い、ヒロインが「暴力なんて怖くない 愛が怖い」と返し、ベタ惚れするさまを表すダンスシーンに入るところに最も興奮し、妄想だと思っていたダンスシーンで弟が盗みを働くリアリティラインの混淆に最も驚きました。
早く続編が観たい!


10.『MUD -マッド-』
MUD -マッド- [DVD]
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南部のバイユー、追われるアニキ、貧乏家庭の少年の恋と冒険……とアメリカ文学の香りも濃厚な映画なのですが、マシュー・マコノヒーが主演することで傑作になりました。『パーフェクト・ワールド』や『スタンド・バイ・ミー』も、こんな感じに映画化されればまた違ったのかもしれませんね。後者でいうところの蛭的なものが出てきて、オトナになる構成もグッドです。
主人公の親友のネックボーンの短髪姿がうちの息子に激似で、他人事としてみれませんでした。普通に良い人を演じるマイケル・シャノンも新鮮です。


11.『新しき世界』
新しき世界 [Blu-ray]
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ここ数年、日本で公開される韓国映画はどれもこれも面白いのですが、潜入捜査+『ゴッドファーザー』な本作は頭一つ飛びぬけています。
詳しくは↓参照。
やおいとやくざ:『新しき世界』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


12.『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2』
アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2 [DVD]
リサ・ハンセン
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自分は「レイプ」と「リベンジ」が一作で楽しめる、一粒で二度美味しいレイプ・リベンジ・ムービーが大好きなのですが、主人公をムカつかない女性に変え、舞台をNYとヨーロッパに変え、更には『ホステル』や『アフターショック』のような話の通じない異国での恐怖も加え……明らかに職人仕事以上の熱量が注がれている本作は、レイプ・リベンジ・ムービーのあれやこれやを更新する傑作ではないかと思います。この調子で『3』とか『4』とか『外伝』とか作って欲しいですね。


13.『サボタージュ
サボタージュ [Blu-ray]
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今、不良性感度たっぷりの見せ場が連続する警察アクション映画を作らせたら右に出る者がいない映画監督デヴィッド・エアーシュワルツェネッガーを主演に迎えた一作です。
おそらくプロデューサーやスタジオからの横槍が入ったのでしょう、あちこちで話がおかしいところがあるのですが、リアル・ラスト・アクション・ヒーローというか、シュワルツェネッガーアメリカの「いま」をメタ的に反映した映画になっています。
まさか21世紀に、老いた身体で筋トレしつつ、女刑事をベッドで誘惑するシュワルツェネッガーがみられるとは!
自分も『フューリー』よりもこちらの方が好みです。
こんな感じで『スーサイド・スクワッド』も監督してくれるのかと思うと、ワクワクが止まりませんね。


14.『TOKYO TRIBE
TOKYO TRIBE/トーキョー・トライブ [Blu-ray]
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男版『アナと雪の女王』にして、50代の園子温が作った『爆裂都市』。
勿論、『狂い咲きサンダーロード』も『爆裂都市』も20代が作るべき映画ですので、50代が監督した『TOKYO TRIBE』には歌詞を字幕で出すような冷たい計算や理屈があります。しかし、その年齢故の冷たさと熱量の同居こそが本作の魅力です。原作者がラップしてもまとまらない雑多なTOKYOのトライブを、体当たりのラップでまとめる清野菜名の姿には、やっぱり熱いものを感じてしまいます。


15.『ファイ 悪魔に育てられた少年』
ファイ 悪魔に育てられた少年 [Blu-ray]
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「抜け忍もの」はどれもこれも傑作揃いなわけですが、まさかこんなフォーマットで抜け忍ものをやってくるとは想像だにしませんでした。ジャニーズJr.みたいな主人公がガッチリ韓国残虐アクションをやりきるさまに大興奮します。韓国映画界の実力の確かさを感じる一作です。




その他、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『フューリー』、『ゴーンガール』なども面白かったのですが、ベスト10に挙げる人も多かろうと思い、外してしましました。


それでは今年もよろしこ!