食人映画も、本物の材料を使えばこんなに洗練された作品になるのね!:『グリーン・インフェルノ』


花村 「ノブ子、すごいわねえ。どこから見ても大富豪の若奥様よ! すっかり見違えちゃったわ」
ノブ子「ちょっとこの近くまで来たものだから、懐かしくて……」


栗田 (真山ノブ子さん。旧姓は林さん。文化部にいた元記者です。
    真山さんは大星不動産の真山社長に原稿依頼したことがきっかけで見初められ、結婚しました。
    大星不動産の真山社長は三十歳そこそこの若さの二代目社長ですが、経営の手腕は抜群で、財界でも一目置かれている方です)


ノブ子「あ! 山岡さん。ごぶさたしてます。あの……お元気ですか?」
山岡 「ああ、林さんか。俺は元気なんだが、馬の奴らが……クソ。じゃ」
栗田 「あ、山岡さん」
富井 「いつもいつも失礼な男だよ」
ノブ子「いつもこうだったのよね……私は山岡さんを好きだったのに、山岡さんは全然気づいてくれず……」
花村 「えーっ、信子が山岡さんを!?」
田畑 「驚いた、知らなかったわ」
栗田 (山岡さんを好きだった女の人がいたなんて……)
ノブ子「だから主人に結婚を申し込まれた時、山岡さんのこと諦めて、結婚したんだけど……やっぱりそんなの間違いだったのよ
    主人は私に優しくしてくれるわ、本当に愛してくれていると思う……でも……」
花村 「ノブ子、ご主人と上手くいってないの? いったいどうしたのよ」
ノブ子「……あれは、私たちが新婚旅行から帰ってきた翌日のことだったわ」



ノブ子「お帰りなさい。お仕事ご苦労様です。今日はちょうど新聞者に勤めてた頃のお友達から『ルック・オブ・サイレンス』の内覧用DVDを頂いたんです。一緒に観ましょうよ」
真山 「すまん。私は人殺しのドキュメンタリーなんか観られないんだ。なんだか気持ち悪くて」
ノブ子「……そ、そうだったんですか。あ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はいかが? ちょうどAmazonからブルーレイが届いたんです」
真山 「私は暴力的なアクション映画も観られないんだ。なにかアニメとか、毒にも薬もならないお笑いとかテレビドラマとか、パーッと観られるようなものはないかね?」
ノブ子「……そ、そうね。あ、そうだ! アニメならこの前ヤフオクで買った『伝説巨神イデオン 発動篇』がありますよ! お笑いならお友達から頂いた『さまぁ〜ずライブ10』、テレビドラマなら『MOZU』のDVDがありますよ」
真山 「それもダメだ。気持ち悪い」
ノブ子「ええっ!?」
真山 「ちゃんと言っておかなかった私が悪かった。私が観られるのはアニメなら深夜に放送されてるような美少女がいっぱい出てくるアニメ。お笑いなら『アメトーーク!』だけだ。朝はNHK連続テレビ小説と『スッキリ!!』、昼は『ヒルナンデス!』、夜は美少女アニメ大河ドラマ、『アメトーーク!』と『孤独のグルメ』だけを交代で出してくれ」
ノブ子「で、でも、それじゃ栄養が。心の栄養が」
真山 「栄養はこれで充分だ」
ノブ子「自己啓発本!?」
真山 「君も一冊読んでみないか」



ノブ子「……というわけなの。
富井 「かわいそうに、貧しい映画や本にしか触れたことないんだな」
田畑 「いいじゃないの。テレビの支度は主婦にとって一番の重荷なのよ。こんな楽なことないじゃない」
ノブ子「でも想像してよ。広くて豪華なリビングで観るのが美少女アニメと『アメトーーク!』と『孤独のグルメ』だけなんて」
ノブ子「わびしすぎるのよ。心が寒々としてくるのよ。私の父は貧乏サラリーマンで、2DKの公団住宅はみすぼらしかったけど、居間のアナログテレビには母が心をこめて選んだ名作映画が流れていて、私たちの心は豊かだったわ。
    食べ物のことだけじゃないの、一事が万事そうなのよ。主人の心は冷え切っているんだわ……。主人は本当に私を愛してくれているらしいけれど、冷え冷えと寒々としていて、私はロボットか人形に愛されているみたい……。こんな結婚、間違ってたわ」
花村 「ノブ子……」


栗田 「というわけで、映画のことなら山岡さんです。山岡さんの力を貸して下さい」
山岡 「ええ! なんで俺が」
花村 「山岡さん、おねがいですから」
山岡 「やなこった。食べ物でも映画でも、極端に偏食の人間はどこか精神的に歪んでることが多い、おつき合いしたくないね」
栗田 「いいわよ、わかったわよ。冷たい人なのね。元の同僚が助けを求めているのに知らん顔だなんて!
    映画がわかっても人の心がわからないなんて、それこそ精神が歪んでるわ。私もそんな人とおつき合いしたくありませんっ!」
田畑 「こんなときに役に立たないんならぶっ殺してやる!」
山岡 「ひでえ」


翌日


ノブ子「ここが我が家です」
富井 「おお! 聞きしにまさる大邸宅だ。さすが大星不動産二代目社長。」
田畑 「これが大富豪のお屋敷なのねえ。
ノブ子「もう、そんなこと言わないで。
栗田 「でも、どうやってご主人に『ガールズ&パンツァー』と『アメトーーク!』と『孤独のグルメ』以外のものを観させるのかしら…… 山岡さん、何か策はあるの?」
山岡 「別に……」


山岡 「ん? ふうん、ここは模型部屋か。モーターツールにエアブラシまであって、本格的じゃないか。それにこのAFVキットの数……」
栗田 「なんだか、ほんのりシンナーくさいわ。誰の部屋なの?」
ノブ子「主人の趣味の部屋よ。休みの日には一日中、たった一人であんなオモチャで遊びふけってるのよ、その姿もなんだか異常で気持ち悪くて……」
花村 「ふうん大星不動産の社長がねえ……ちょっと普通じゃないわねえ」
真山 「あ、どうもお待たせしまして……」
栗田 「こんにちは、おじゃましてますっ」
真山 「ようこそいらっしゃいました。どうぞゆっくりしてらしてください」
山岡 「ご主人、これはいま継続高校効果でプレミアつきまくりのBT-42自走砲のキットじゃないですか。それも2個も!」
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真山 「ほう、よくご存知で。さてはモデラーですね」
山岡 「ワールドタンクミュージアムfigmaもこんなに! だいぶお好きなようですね」
真山 「いや、お恥ずかしい。『ガールズ&パンツァー』がきっかけで、すっかりハマってしまいまして」
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真山 「私は孤独な少年時代を過ごしたんです。社長になるための帝王教育とやらを小学校に入る前から叩きこまれて、友達と遊ぶことも許されなかった。
    こんなプラモデルやフィギュアなんかとんでもないことで……。だから自分で何もかも自由になると、無性にこんな物が欲しくなりましてね……」
山岡 「どうです。時間もあることですし、ひとつ勝負しませんか?」
真山 「え? 勝負?」
山岡 「そのワールドタンクミュージアムのIV号戦車をどれだけ上手くリペイントできるかで勝負しませんか?」
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真山 「いいでしょう、何を賭けます?」
山岡 「俺はトランペッターのカール自走砲初期型のキットを持ってます」
真山 「何ですって、それはすごい! ……よろしい、それなら私は1/35マウスのキットを……」
花村 「何なのそれ? 聞いたこともないわ。男って訳のわからない生き物ね…………」
山岡 「せっかくですが、1/35マウスのキットは辞退します。代わりに俺が勝ったら、俺と映画を観るのをつき合ってください」
真山 「え? そんなことでいいんですか? とても釣り合わないが……」
山岡 「真山さんさえよければ……」
真山 「ふふっ、トランペッターのカール自走砲初期型、頂きですぞっ!」
ノブ子「主人がこんなに興奮した姿、初めてだわ……」



真山 「フーッフーッ!」
栗田 「うわあ。もう家の中がシンナー臭だらけよ。早く換気しなきゃ」
真山 「ドライブラシにスポンジチッピング……。とてもじゃないが適わない……」
山岡 「俺の勝ちだ。ガキの頃に模型店の五月蝿いオタク第一世代相手にもまれて身についた技とじゃ、違うのは当たり前ですよ」
真山 「その通りだ。私も、五月蝿いオタク第一世代とドロドロになって遊びたかったよ……」
山岡 「ノブ子さん。ご主人は俺と映画をつき合うことになった。セッティングを手伝ってくれ」
真山 「言い忘れていたが、実は私は……」
山岡 「わかっています、これからリビングを借りて、「食」を題材にした映画を上映する準備をするんです」
真山 「グルメものか……それなら……」



栗田 「どうしてグルメものなのよ。それじゃ真山さんの偏食を治すきっかけにならないわ」
山岡 「ただのグルメものじゃない。食人映画、それも最新の食人映画である『グリーン・インフェルノ』をみせるのさ」
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花岡 「えーっ! 食人映画?」
栗田 「山岡さん、本気なの?」
田畑 「そんなのゲテモノじゃないの」
富井 「あわれ山岡。ついに狂ったか」
ノブ子「食人映画! 主人は食人映画なんてみられないわ。グルメものでも、『バンビーノ!』みたいにちょっとシリアスなドラマが入っただけでも嫌がるのに。食人映画ってグロいシーンばっかりだったりするでしょう!?」
山岡 「いいから任せておけ。そんなに心配なら軽くいっしょにみるか」


山岡 「まず土人だ。食人映画といえば土人だが、ニセの土人が圧倒的に多いから、気をつけた方がいいね」
栗田 「え? ニセの土人
山岡 「土人というのは、アマゾンやアフリカのジャングルといった未開の未開の地で原始的な生活を送っている先住民のことだが、昔の食人映画は体中に赤いドーランを塗りつけた白人が演じてたりするものが多かったんだ」
花山 「ああ、本当にそこに住んでる人たちだとなかなか言葉が通じなくて、監督の指示が伝わらないのね」
山岡 「そうだ。食人映画というものは安い予算で作ることができ、ゲテモノ映画として世界各地に売れる――そんな風に考えられた時代があった。安い予算で作るためには、短い時間で撮らなくてはならない。本当の土人なんか使ってる暇は無かったんだ」
栗田 「白人が黒いドーランで黒人を演じたり、目を吊り上げて中国人を演じたりするのと同じじゃない。ミンストレルショーやドクター・ノオみたいなブラックフェイスやイエローフェイスと同じ、差別だわ」
山岡 「そうだ。そもそも食人映画のオリジンであるルッジェーロ・デオダート監督の『食人族』が迫真のリアリティを持っていたのは、一部の食人族は白人が演じているものの、きちんと現地の先住民をエキストラに使っていたからだ。
    付け加えれば、リアリティの問題もある。どうみても裸の白人な土人が襲ってきても、全然怖く無いし、笑ってしまうんだな。本当の土人を使わずに撮った食人映画なんて、本当の食人映画といえない」
田畑 「ひどい。そんな食人映画で他の映画と同じお金を貰っていたわけ?」
富井 「どうすればいいんだ? うちなんかしょっちゅう食人映画をみているんだぞ」
山岡 「幸いなことに、最近は本物の食人映画を撮ろうという人たちが増えてきている。『グリーン・インフェルノ』の監督イーライ・ロスさんは、これまでカメラが入ったことのないペルーのアマゾン奥地をロケ地に選び、先住民族に『食人族』のDVDをみせたそうだ。すると彼らは大喜び。コメディとして受け取ったらしい。たちまち仲良くなって、エキストラとして撮影に協力してくれたそうだ」
栗田 「まあ、なんていい話なの!」
山岡 「あまりに仲良くなりすぎた結果、先住民たちは映画に出演させてもらったことのお礼として、二歳の子供をあげようとしたらしい。勿論、断ったそうだ」


山岡 「さて、一番大事なのは脚本だ。『グリーン・インフェルノ』は設定が秀逸だ。
    主人公はイスラム圏での女子割礼に嫌悪感を抱く、小林よしのりいうところの<純粋まっすぐ君>な女子大生だ。真面目な彼女はカリスマ溢れる男がリーダーを務める意識高い系の環境保護サークルに興味を持ち、ジャングル開発で破壊されようとする土人を救いにアマゾンに旅立つ。スマホの力でなんとかブルドーザーと建設会社の雇った傭兵部隊を退けるものの、救おうとしていた土人が人食い族で大ピンチ! 捕まった一行は、助かるためにジャングル開発が再開されるのを望まざるを得なくなる……というようなストーリーだ」
花岡 「うわっ! ちゃんと女子割礼のくだりが伏線になってるわ」
田畑 「まあ、皮肉な話ね」
栗田 「山岡さんのお父さんの言葉を借りれば<馬鹿どもにスマホを与えるなっ!>というわけね」
山岡 「うへえ。……ま、まあ<どちらが野蛮か>ならぬ<どちらが最悪な人間か>という価値観の転倒があるわけなんだな。これは『食人族』をはじめとするイタリアン・カニバル・ムービーと呼ばれた一連の作品群から、アメリカ版食人映画と呼べるゾンビ映画まで、脈々と伝わっている映画のキモなんだ」
富井 「イーライ・ロスさんは、自分なりのやり方で先人たちにリスペクトを捧げたんだね」
栗田 「どうして食人映画を発明した人にノーベル賞あげないのよ!? ――という思いが詰まっているわ」


栗田 「わ! 殺された人が丁寧に解体されて、スパイスをすりこまれて、葉っぱにくるまれて、こんがり蒸し焼きにされて……なんだか、真心こめて調理されてるわ」
花岡 「この画面だけだと美味しそうに感じる人もいるんじゃないかしら」
田畑 「食人映画なら、もっとグロくなくちゃいけないんじゃないの?」
山岡 「それは観客の目が貧しくて、グロければ何でも話題になると思っていた頃の後遺症だよ。ただグロいだけじゃバランスが崩れる。
   『グリーン・インフェルノ』が本当に面白いのは、笑って良いのかどうか判別し難いギャグが唐突に挿入されることなんだ。たとえば、このシーンなんかどうだい?」
田畑 「え? この人、いきなり○○したわ!」
花岡 「この人なんか、○○したわよ」
富井 「おいおい、本当にこんな描写必要なのか?」
山岡 「観客は、こういうシーンで笑って良いのかどうか咄嗟の判断を迫られる。それが結果として、目の前で起こっていることが良いことなのか悪いことなのか分からなくなる効果を生み出す――そういう仕掛けなのさ」
花岡 「意外に深い映画なのね……」
栗田 「しかも、意外に上品だわ。死体は映すけど汚物は映さないし、音だけで直接映さない人体破壊シーンも多いし」
富井 「おお。本当だ」
山岡 「俺の知り合いの小説家は、<『食人族』は立石とか北千住の人食い屋という感じだけど、これは銀座あたりまで出てきた感じ>と表現していたよ」
富井 「やっぱり、人の心を感動させることが出来るのは、人だけなんだな」


真山 「ほう、皆さんご精が出ますな、私も見学させてもらうかな……
    おい、何だこれは。グルメものじゃないじゃないか。
    しかもこれは……『劇場版 ガールズ&パンツァー』上映前に強制的に予告をみせられて辟易した食人映画じゃないか。わあやめろ、気持ちが悪いっ!」
山岡 「よし、『グリーン・インフェルノ』の上映準備が出来上がりだ」
真山 「『グリーン・インフェルノ』だと? そんなもの私は観ないぞ!!」
山岡 「真山さん、俺に勝負で負けたことを忘れないでください。あんたは俺と映画をつき合わなきゃなんないんだ。これが今日の映画ですよ」
真山 「うっ……」


真山 「私の父は強引極まるやり方で、一代で大星不動産グループを作り上げた男です。事業の鬼であると同時に、あちこちに愛人を作り、滅多に家に帰ってこない。母はそんな父に愛想をつかし、宗教に凝って、これも家にほとんどいない。
    私は父の命を受けた家庭教師と家政婦に育てられたんです……
    家庭教師は父の命令通り、私に帝王教育とやらをほどこすだけの冷たい男。家政婦も母と同じ信者で、偏狭な教義にこり固まって、人間らしさはこれっぱかりもなかった……
    私は毎日、たった一人で家政婦が機械的に上映するテレビや映画を観なければならなかったんです」
山岡 「家政婦が観せてくれたのが毒にも薬にもならないワイドショーやドラマやバラエティー番組だった訳ですか?」
真山 「そうです……そして気がついてみると、それ以外は何も食べられない人間になっていたんです」
栗田 「あれ? 美少女アニメは?」
真山 「美少女アニメは単に私の趣味です」
ノブ子「あなた……」
真山 「本心はすごく餓えているんです。餓えているんだが、ほかの映画やテレビはみられない……」
山岡 「誰だってそんな少年時代を送れば偏食になるさ。偏食は心の病なんだ。その病気の原因は、愛情に満たされないところにあるんだ…真山さん、『グリーン・インフェルノ』を観てください」
真山 「し、しかし私には……」
山岡 「真山さん、観るんだ。あんた、死ぬまで両親の呪縛の鎖から自分の心を解き放たないつもりなんですか? そんな冷え冷えとした寒々とした心のまま生きてゆくんですか?
    その映画は冷淡な家政婦が機械的に上映するものじゃない! あんたもみたでしょう? イーライ・ロスが愛情をこめて作り、奥さんが愛情をこめて上映する作品なんだ。
    みなさい真山さん、自分の心を解き放つにはこれしかないんだぜ!」


一時間後


ノブ子「あなた、やめて! 観なくていいのよ、きらい映画を無理に観ないで!」
真山 「うう……」


二時間後


真山 「うう……面白い!」
ノブ子「あなた!!」
真山 「面白い!!」
栗田 「やったあ!!」
真山 「面白いよ、この映画は」
田畑 「これが食人映画!? すっごい上品な映画よ!」
花岡 「ただの食人映画も、本物の材料を使えばこんなに洗練された作品になるのね!」
山岡 「グルメもののドラマから『グリーン・インフェルノ』を第一歩に、あとはじっくりいろいろな映画を攻めていくのさ」
花岡 「大丈夫よノブ子がいるもの。
    真山さんが本当はすごく餓えてたってことも、それが何に餓えてたのかってこともよくわかったものね」
富井 「きっと、人肉に餓えてたんだな」
おやじ「いいかい社長さん、食人映画をな、食人映画をいつでも観れるくらいになりなよ。それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」


花岡 「長々とお邪魔しました。それでは失礼します」
真山 「また近いうちに必ず」
田畑 「どうも」
栗田 「失礼します」
ノブ子「山岡さん……」
山岡 「ん? なんだい?」
ノブ子「実は私、既に『グリーン・インフェルノ』観てたんです」
山岡 「な、なんだって! 確かに劇場には『劇場版 ガールズ&パンツァー』よりも女性客が多かったが……」
ノブ子「あー! じゃ、山岡さんも『劇場版ガルパン』観たんですね! やっぱり映画もアニメも好き嫌いは駄目ですよね。私、もう迷いません、本当に幸せになります」
山岡 「お、おう……」




ちなみに、ニコ生で『食人族』を扱った回はこちら。