ニコ生やりました&2013年映画ベスト15

あけましておめでとうございます。
そういうわけで、一昨日ニコ生やりました。
Dr.マクガイヤーのオタ忘年会2013 - 2013/12/30 19:00開始 - ニコニコ生放送
べしゃりというのは難しいもので、用意したレジュメの半分も喋れなかったり、資料として作ったパワポの表記が一部間違っていたり*1、「大阪府都知事」なんて素で言い放ったり、リストの昨日一日疲労(と大掃除)で使い物にならなくなったりしたのですが、現場もコメントもかなり盛り上がったので結果オーライです。
皆様のおかげで月に一度やろうとかいう話も持ち上がってきました。是非、一度といわず二度三度とカウンターを回して頂ければ幸いです。
(1/8追記)
その後、ニコ動にアップされました。


番組の内容はというと、独断と偏見に基づいて2013年中一番お薦めしたい映画や漫画やアニメやプラモやオナホを選ぶという内容だったのですが、せっかくなのでここに自分の2013年映画ベスト15を書いておこうかと思います。ベスト10にしようかと思ったら、選びきれなかったんだよ! ブログで感想を書く機会を逸したものもあるし。


1.『映画 立候補』
ニコ生でも語りまくったけれど、やはり2013年で一番記憶に残った映画はこれ。親子の物語、民主主義とは何か、映画の本質とは何か……等々、様々な見方ができる作品である一方、エンターテイメントとしても完成度が高い映画だと思います。
参考:ひとりの戦い:『選挙2』と『映画「立候補」』と『荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


2.『ジャンゴ 繋がれざる者
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デス・プルーフ』以降の第二期タランティーノ作品のなかでも頭一つ抜けた傑作。主人公が「成長」の結果として「べしゃりスキル」を獲得することにぐっときました。
参考:言葉を手に入れたジャンゴ:『ジャンゴ 繋がれざる者』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


3.『地獄でなぜ悪い
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かつて藤原章作品に役者としても出演していた園子温の勝利宣言ともいえる痛快作。実は、長谷川博己演じるカントク平田も星野源演じる橋本も園子温にとって「なりたくなかった自分」であると思うのですが、この二人がゲロで繋がるのが傑作の証ですね!


4.『ゼロ・グラビティ
政治的に正しくない映画が面白いのと同様に、科学的に正しくない映画でも映画的に優れていれば面白い、ということを証明した一作なんじゃないかと思います。にしても、この映画を観て顔をしかめる宇宙開発関係の人間が多そうな気もしますね。
参考:新しいホラー、新しいサスペンス、新しい映画:『ゼロ・グラビティ』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


5.『ダークシステム完全版』
島本和彦ミーツ特撮マインドな血湧き肉踊る童貞映画です。今時こういう自主映画を作る若者はめっきり減ったし、応援したいところだわーーなんて思っていたら……なんとテレビドラマ化するんだって!! 良い意味でも悪い意味でもドッキドキです。でもこれで本作の知名度が高まり、続編が作られたりDVDが発売される(可能性が高まった)と考えれば良いニュースなのかも。
感想:中二病の進化型としての島本和彦+特撮マインド:『ダークシステム』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


6.『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』
ジャンルに対する悪意と愛に溢れた続編です。可能性低いと思うけれど、アカデミー賞を獲って欲しいですねぇ。
参考:アニメの悪意:『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


7.『モンスターズ・ユニバーシティ
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なりたいものとなれるものは違う、という人生における残酷な現実をエンターテイメントとして描いた第二期ピクサーの復活作。これでピクサーも安泰だわあと思いきや、『プレーンズ』を観てすっこけたのは内緒です*2
参考:ピクサーにとっての「敵」:『モンスターズ・ユニバーシティ』その1 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな太田光と田中裕二の出会い:『モンスターズ・ユニバーシティ』その2 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


8.『悪いやつら』
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日本版『グッドフェローズ』であり、山守組長視点の『仁義なき戦い』であり、とにかくイイ顔したおやじがイイ顔したおやじが活躍しまくるおやじ万歳映画。リバウンドしたチェ・ミンシクが素晴らしいのは勿論のこと、おやじにとって気になる若者であるハ・ジョンウも最高です。
参考:おやじ120%:『悪いやつら』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな
にしても、『10人の泥棒たち』とか『ある会社員』とか『FLU 運命の36時間』とか『ベルリンファイル』とかいった力作がこの程度の公開規模なのはどうなんでしょうか。現在の韓国映画って60〜70年代の、わけのわからないパワーに溢れていたころの邦画と同じ魅力があるように思うのですが。


9.『ゼロ・ダーク・サーティ
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どう考えても監督の分身である主人公が、どう考えても道を踏み外すさまが、アメリカという国家のそれに重なる力作。『火垂るの墓』や『デビルズバックボーン』もそうだったのですが、こういう映画は本当に興奮します。伊藤計劃が生きていたら感想を聞いてみたかったです。
参考:彼女の理由:『ゼロ・ダーク・サーティ』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


10.『スプリング・ブレイカーズ
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我々ボンクラ男子は皆パツキンギャルが大好きなわけですが、人間らしいギャルが一人また一人と脱落していき、最後に「概念としてのギャル」が残る――というお話をドラッギーな編集で描いたドラッグ映画です。強めの酒とか飲みながらブルーレイで毎晩鑑賞したいところですね。


11.『セデック・バレ
セデック・バレ 第一部:太陽旗/第二部:虹の橋【豪華版 3枚組】[Blu-ray]
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倫理観をぶっちぎった『アポカリプト』に比べれば大人しいというか倫理道徳に溢れた映画だと思うのですが、それでも裸の男がマッチョな肉体を武器にジャングルを駆け巡って首を狩る映画は推さざるを得ません。子供が子供を殺したり、大人に殺されたりするさまをきっちり描いているのにも好感がもてますね。
参考:歴史の終わりと文明の衝突と新しい戦争:『セデック・バレ』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


12.『きっと、うまくいく』
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平等主義に染まった欧米人や日本人には、平等主義の象徴である学歴社会を真の意味で否定することはできない――という友人の言葉が全てを物語るインド映画の傑作です。ランチョーのムキムキさは学生とは思えません。そりゃ、あんな美人も惚れてまうわー。


13.『風立ちぬ
ほとんどやくざ映画なのですが、やくざ映画大好きな自分は本作も大好きです。加えて、はっきり人外の土地や存在として描かれる外国や外国人の描写が良いです。「常に『この世は生きるに値するんだ』という思いが作品の根幹に合った」という宮崎駿監督の言葉には、本当はそう思っていないという本音の世界観が見え隠れするわけでして、「まるで人がゴミのようだ!」と狂喜するムスカ大佐はまだまだ健在なのだと思うと、自分もこの世界を生きていく勇気が出ます。
参考:パヤオ勃ちぬ:『風立ちぬ』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてなシャブとものづくりのファンタジー:『シャブ極道』と『風立ちぬ』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


14.『イップ・マン 最終章』
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アンソニー・ウォンが中年に達したイップ・マン役という時点でもう100億点です。『モーターウェイ』もそうなのですが、秋生がメンター役という時点で抗し難い魅力があります。プラス「イップ・マン先生と生徒たち」みたいな安定感のある内容で、連続テレビドラマなんかでじっくり観たい題材だったりもしますね。


15.『フライト』
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「パニックもの」と「法定もの」の融合でありつつ、本当のテーマは「アル中」というトリッキーな題材を、もの凄い映画的テクニックと演技派役者で描いた、知る人ぞ知る名店料理のような映画です。ロバート・ゼメキスはもう子供向けCG映画なんて撮らずにこちらの路線でいってほしいです。


ちなみに『クロニクル』と『キャビン』はUK版や北米版ソフトで2012年に鑑賞済みだったので抜きました。『パシフィック・リム』については、確かに面白かったけれども、実のところ「素うどん」みたいな映画だと考えているので入れていません。ガイズラー博士が主人公の話だったら文句無しに一位だったのですが。
参考リンク:J・J・エイブラムスへの愛憎:『パシフィック・リム』 - 冒険野郎マクガイヤー@はてな


なんだかんだで例年のように観逃した作品も多く、『ムネオイズム』『愛と狂気の王国』『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』『オゾンビ』『エンド・オブ・ウォッチ』『オン・ザ・ロード』『日本の悲劇』『許されざる者』『スタンリーのお弁当箱』『名探偵ゴッド・アイ』なんかが観ようと観ようと思っていて観れなかったのですが、こちらはおいおい補完していきたいところです。韓国映画や香港映画は特にそうなのだけれど、公開規模が小さいと観に行くのに気合が必要になるんですよねえ。

*1:まさか『Gガンダム』や『ガンダムUC』が重複しているとは

*2:厳密にはピクサー作品じゃないそうだが