「FBB復活 ガース柳下&ウェイン町山」&「町山智浩のアメリカ映画特電」ライブ!

 連休だ。しかも、久しぶりに嫁が子供達を連れて実家に帰ったので、自由な連休だ。遠慮せずに、もっと帰れば良いのになぁ。
 せっかくの自由な時間を有意義に過ごさねばとの思いから、ロフトプラスワンにゆくことにした。町山智浩柳下毅一郎によるトークライブがあるのだな。


 が、開場時間直後ほどに現地に到着すると、なんとコマ劇横まで長蛇の列。もっと早起きすれば良かったと後悔しつつ並んでいると、立ち見でも構わないなら入れますと言われた。入る、入りますよ。この為に来たのだからな。体を鍛えといて良かったぜ!


 生で喋る町山智浩の姿を観るのは初めてだったのだが、酒が入っているせいか初めから終わりまで終始異様なハイテンションで喋りまくっていたのがインパクト大であった。ストリームやキラ☆キラでも、電話やラジオの向こうにて、あんな感じで喋っていたのだな。で、そこに柳下毅一郎が冷静に補足なりツッコミなりを入れていて、二人は本当に良いコンビなのだなと思った。


 内容は以下のような感じ。


 冒頭の取材については8/16発売の実話ナックルズに掲載、アメリカ映画特電については後日ポッドキャストとしてアップされるという。が、開場では実際の映像を流しつつ相槌や身振り手振りを入れつつトークしていたわけで、どのような形でアップされるのか気になった。
第50回で紹介していた「早春」の、実際の映像を観ることができたのは嬉しかったなぁ。


http://www.enterjam.com/podcast/tokuden/tokuden050.mp3


 や、「裸のジャングル」とか「北国の帝王」とか、気になった未見の映画でDVDが出てる奴は買っちゃうのだけれど、流石に海賊版は買う気しないんだよねぇ。


 特に印象的だったのは以下の三つ。

雑誌が売れない

「出版社の社員は給料とりすぎ。何もしないのに年収1300万くらい貰って、カミさん呼んで外食した領収書を会社につけたりする。そんな奴らブッ殺せ!(拍手)編集者の給料は完全出来高制にするべき。ライムスター宇多丸がいた高校は順位を廊下に張り出していたそうだが、同じようなことを出版社でもやるべきだ。直木賞とった作家よりも編集者の方が収入良いというのはおかしい。
 出版社はもうすぐ潰れるんじゃなかろうか。アマゾンのキンドル(Amazon Kindle)があれば出版社はいらない。紙代も印刷代もいらないから、印税も一律10%にならない。これからの編集者に必要とされるは、内容をチェックする能力のみになる。出版社の株とか持ってたら売った方が良いよ(笑)。
 でも、文章はキンドルに移行しても、小さなディスプレイ上で読み難いマンガは紙のメディアとして残るかも。僕も大好きな『喧嘩商売』なんかは紙をめくって読みたいもの。でも、石原まこちんのマンガなんかはモニタ上で充分(笑)。ここら辺は大スクリーンで観たい映画と、DVDで充分な映画があるのと同じ」


 自作をネット上で販売しようとしている佐藤秀峰や、iPhoneiPod touch青空文庫を読めることなんかを連想した。アマゾンのキンドルは日本で発売予定が無いけれども、iphoneipod用アプリの日本版が出れば、状況が変わってくるのだろうな。


http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/03/05/kindle/index.html

アンソニー・ホプキンス主演映画は全部同じ

「『永遠の愛に生きて』『羊たちの沈黙』『日の名残り』……。アンソニー・ホプキンスは名優と言われているけど、彼が主演する役柄は基本的に全部同じ。自分の心の殻に閉じこもった老人で、童貞が大きくなったようなもの。周囲の人間を馬鹿にしていて、文字通り人を喰ったりもする。
 だがある時、彼の心にくい込む女が現れる。自分の理屈が通用しない他者=女が現れて、パニックに陥る。『経験には痛みがあるけれど、本を読んでも痛みは無い』なんてことを言われる」


 実際はこれをキリスト教における「悪の問題」と絡めて語っていたのだが、成程と納得した。『世界最速のインディアン』や『ジョーブラックによろしく』なんかは「女」が「若い男」になるのだろう。なんか、「エヴァンゲリオン」で扱われる主題を、それなりに形を変えつつも、どこの国でもやってるのだな、とも思った。

1Q84」とドラクエ商法by平山夢明

村上春樹の『1Q84』大ヒットだって?あれってドラクエと同じだろ?出荷数をセーブしてヒットさせる商法だよ。あんなの、普通に出したら今頃ブックオフに一杯ですよ(笑)」



 あと、吉田豪に「何か新ネタありますか?」と聞いて出た話が本当に凄かったのだが、絶対に書きません。


 途中、あまりの混雑で気分が悪くなったのか退出する人がいて、幸運にも座れたものの、4時間立ちっ放しのお客さんもいた。でも、4時間立ちっ放しが苦にならないほど面白かったな。


 終了後、帰ろうと出口に向かうと、誰かと待ち合わせしているのか柳下毅一郎が本棚の前にあるテーブル席に座っていて、数日前に「あんにょん由美香」にてスクラップブックを手に持ちながら林由美香のことを嬉しそうに語る氏の姿を観ていたものだから、なんだか不思議な気分になった。